ニューアーク方式とは? わかりやすく解説

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ニューアーク方式

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/07/09 08:26 UTC 版)

ニューアーク方式[注 1](ニューアークほうしき、: Newark charging system [注 2])は、図書館における図書の貸出方式の一つ。アメリカ合衆国ニュージャージー州ニューアーク公共図書館英語版の館長であったジョン・コットン・デイナ英語版(1856年 - 1929年)[6]が考案したとされており[7]、ニューアーク方式の名はニューアーク公共図書館による[8]


注釈

  1. ^ 「ニューアーク」は、ニュアーク[1]・ニュワァーク[2]・ニュワーク[3]とも音写される。
  2. ^ Newarkの発音は[ˈn(j)uː.ərk][4]または[n(j)ʊərk][5]
  3. ^ 1966年発行の前川恒雄、石井敦、石橋幸男 1966, p. 88にも「現在,日本で最も広く行われている方式は,ニュアーク式及びその変形であろう。」と記されている。
  4. ^ 図書館の自由に関する宣言第3項「図書館は利用者の秘密を守る」の観点から大きな問題とされている。
  5. ^ 古い文献では、利用者記録が残ることを利点としたものも存在する[21]
  6. ^ 『がくと』2号の調査結果は「ブックカードと日限票を用いる方式をブックカード式」「ブックカード、日限票、貸出券を用いる方式をブラウン方式」としてまとめている。
  7. ^ 調査対象は高校61校、中学校11校、小学校9校の計81校。なお、以下以外にも「コンピュータ導入予定」「台本板」と答えた学校がそれぞれ1校ずつ存在する。
  8. ^ 調査対象は公立高校107校、私立中高15校、小学校2校の計124校。
  9. ^ 1989年に神奈川県学校図書館員研究会が実施した実態調査を例に挙げると、県立高校図書館ではニューアーク方式を採用している図書館が50%以上を占め、ブラウン方式または逆ブラウン方式は13%程度にとどまっていた[25][26]
  10. ^ 鈴木紀代子、大沢洋一郎、丹羽努 1983, p. 24では、「教員と生徒(中略)のような人間関係の中で,プライバシーの侵害という問題はあり得ない」としており、この両者の関係においてならば特段のプライバシー保護は不要であるという観点を示している。
  11. ^ 例えば、図書館用語辞典編集委員会 2004, pp. 449–500では「ニューアーク式 (Newark charging system)(中略)日本では1915(大正4)年『図書館小識』で紹介されたのが最初。」、前川恒雄、石井敦、石橋幸男 1966, p. 88では「現在,日本で最も広く行われている方式は,ニュアーク式及びその変形であろう。すでに1915年(大正4)年『図書館小識』で「米国最新式の図書館に最も広く行はるる一式」と紹介されてから……」としている。
  12. ^ 和田万吉 『圖書館小識』、1922年、増訂版、全国書誌番号:43045365NDLJP:980511では「二三」の代わりに「もの」が使用されている

出典

  1. ^ a b 日本図書館協会 図書館ハンドブック編集委員会 1990, pp. 70–71.
  2. ^ a b 図書館科学会 1978, p. ???.
  3. ^ 日本図書館協会用語委員会 1997, pp. 559–600.
  4. ^ Newark - Definition and More from the Free Merriam-Webster Dictionary”. Merriam-Webster. 2015年6月24日閲覧。
  5. ^ Newark - Dictionary Reference”. Dictionary.com. 2015年6月24日閲覧。
  6. ^ a b c d e f 図書館用語辞典編集委員会 2004, pp. 449–500.
  7. ^ a b 日本図書館情報学会 用語辞典編集委員会 2013, p. 191.
  8. ^ a b 日本図書館協会 図書館ハンドブック編集委員会 1990, p. 70.
  9. ^ a b c d Bloomberg, Marty 1977, p. 44.
  10. ^ 図問研東京支部 スライド製作委員会 1982, p. 57.
  11. ^ 佐藤毅彦 1996, p. 3.
  12. ^ 図問研東京支部 スライド製作委員会 1982, p. 14.
  13. ^ a b c 前川恒雄、石井敦、石橋幸男 1966, pp. 88-89の4-10図.
  14. ^ a b c 図問研東京支部 スライド製作委員会 1982, p. 58.
  15. ^ 前川恒雄、石井敦、石橋幸男 1966, p. 88.
  16. ^ 図問研東京支部 スライド製作委員会 1982, pp. 59–60.
  17. ^ 図問研東京支部 スライド製作委員会 1982, p. 60.
  18. ^ a b c Helen Thornton Geer 1955, p. 7.
  19. ^ Bloomberg, Marty 1977, p. 45.
  20. ^ a b 宮雄司 1983, p. 19.
  21. ^ Helen Thornton Geer 1955, p. 8.
  22. ^ Helen Thornton Geer 1955, p. 9.
  23. ^ 高橋恵美子「学校図書館における貸出方式とプライバシー」『図書館と自由』第9集、日本図書館協会、1988年3月31日、ISBN 4-8204-8715-9 
  24. ^ 鈴木紀代子、大沢洋一郎、丹羽努 1983, p. 25.
  25. ^ 山口真也「個人情報保護制度における「貸出記録」の解釈 : 神奈川県立高等学校図書館を事例として」『沖縄国際大学日本語日本文学研究』第12巻第1号、沖縄国際大学、2007年10月、28-30頁、NAID 110007027458 
  26. ^ 日本図書館協会図書館の自由委員会 編 (2013). 図書館の自由に関する全国公立図書館調査2011年. 日本図書館協会. p. 109. ISBN 978-4-8204-1303-5 
  27. ^ 鈴木紀代子、大沢洋一郎、丹羽努 1983, p. 23.
  28. ^ 日本図書館協会 図書館の自由委員会 (2015年11月30日). “神戸高校旧蔵書貸出記録流出について(調査報告)”. 日本図書館協会. 2021年2月19日閲覧。
  29. ^ 三苫正勝「「耳をすませば」は「図書館の自由」の教材にならなかった」『図書館雑誌』第102巻第10号、日本図書館協会、2008年10月、2015年6月21日閲覧 
  30. ^ 大平睦美「学校図書館の現状 : 私立K中学高等学校における図書館の変遷から」『大阪大学教育学年報』第14号、大阪大学大学院人間科学研究科教育学系、2009年3月、27-35頁、doi:10.18910/12350ISSN 1341-9595NAID 1200048465352021年5月20日閲覧 
  31. ^ a b c 山家篤夫「自由委員会『耳をすませば』制作のスタジオジブリを訪問し,意見を交換」『図書館雑誌』第89巻第8号、日本図書館協会、1995年8月20日、566頁、ISSN 0385-4000 
  32. ^ 山家篤夫「アニメ映画『耳をすませば』で自由委 制作者と意見交換の予定」『図書館雑誌』第89巻第7号、日本図書館協会、1995年7月20日、491頁、ISSN 0385-4000 
  33. ^ “誤解 守秘の姿勢反映されず 図書館は自由か:中(メディア)”. 朝日新聞 (朝日新聞社). (1995年11月8日) 
  34. ^ 平成18年度第1回研究集会報告 図書館の社会的イメージ調査」(PDF)『兵庫県図書館協会会報』第84号、兵庫県図書館協会、2007年3月1日、NDLJP:3489150 
  35. ^ 佐藤毅彦 1996, p. 6.
  36. ^ 図問研東京支部 スライド製作委員会 1982, p. 53.
  37. ^ 宮地美智子 1994, p. 36.
  38. ^ 宮地美智子 1994, pp. 36–37.
  39. ^ K.G. Schneider (2005年7月31日). “Gaylord Charge Machine”. Yahoo!. 1015年6月18日閲覧。
  40. ^ Bloomberg, Marty 1977, p. 46.
  41. ^ a b 図書館用語辞典編集委員会 編『最新 図書館用語大辞典』柏書房、2004年4月30日、107頁。ISBN 4-7601-2489-6 
  42. ^ a b c Bloomberg, Marty 1977, p. 47.
  43. ^ Kirkwood, Leila H. 1961, p. 108.
  44. ^ Kirkwood, Leila H. 1961, p. 61.
  45. ^ a b Irwin H. Pizer 1966, p. 5.
  46. ^ Kirkwood, Leila H. 1961, p. 109.


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