ニカシル問題(硫黄を含むガソリンによる摩耗異常)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/16 06:45 UTC 版)
「BMW・M52エンジン」の記事における「ニカシル問題(硫黄を含むガソリンによる摩耗異常)」の解説
ニカシル(Nikasil)とは、エンジン部品、主にピストン、エシリンダーライナー用の親油性の電着表面コーティングの商標で、ニッケル合金炭化ケイ素コーティングのことである。 アルミニウムブロックを採用したM52エンジンは、1990年代後半に、ガソリンに高レベルの硫黄が含まれている環境でクレームを受けた。硫黄はニカシル処理をしたシリンダーライナー等を腐食してしまい、ボアライナーの早期摩耗等で多くの初期のM52およびM60エンジンのダメージに繋がった。 BMW Z3で使用しているアメリカ合衆国で製造されたM52エンジンは鋳鉄ブロックを採用しているため(M52B28を使用しているZ3を除く:同エンジンはアルミニウムブロックを採用)、ニカシル問題の影響は出ない。 高硫黄ガソリン市場向け(主に発展途上国)エンジンの最終的なニカシル問題対策は、アルミニウムブロック内のシリンダーライナーの改良で対応した。 シリンダーライナーを除いて、M52エンジンの基本的なアルミニウムブロックはすべてのマーケットで同一だったものの、シリンダーライナーとボアライナーは改良をしていないものでは影響が大きかった。 M52TUエンジン(全マーケットでアルミニウムブロックを使用) ではシリンダーライナーを改良しニカシル問題の影響は受けない。
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