ナコトとイース
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/04 15:40 UTC 版)
本短編は、ハイパーボリアの話なのだが、「エイボンの書」ではなく「ナコト写本」という、特異な一編である。 カーターは『陳列室の恐怖』と本作にて、ナコト写本の原著者をイースの大いなる種族とし、彼らが去った後に人類(ナコトの同胞教団)が編纂して写本化したという、新たな設定を打ち出した。ナコト写本を創造したラヴクラフトは「偉大なる種族の時代はナコト写本の時代まで遡る」としか記しておらず、大幅に変わっている。しかもこの記述は、カーター本人にとっては創作ではなく既存情報の要約だったのではないかという指摘が、実書籍『エイボンの書』にて述べられており、さらに「解釈としては誤りだとしても、新しいものを生み出した」と肯定的に見られている。 またラヴクラフトは合作リレー短編『彼方よりの挑戦』に、「エルトダウン・シャーズ」という文献を偉大なる種族と絡めて登場させており、文献創造者であるリチャード・F・シーライトに宛てた手紙では、エルトダウン・シャーズとナコト写本の内容が似ているという設定を付け加えている。さらに続きがあり、ラヴクラフト版シャーズを、カーターは『陳列室の恐怖』で「サセックス稿本」と別の文献名で呼んでいる。
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