ドナルドダック役となった経緯
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/03/22 03:49 UTC 版)
「トニー・アンセルモ」の記事における「ドナルドダック役となった経緯」の解説
入社初日、アニメーション棟から出てきた見も知らぬ小柄な男から「おはよう!」と声をかけられた。その声は明らかにドナルドダックそのものであり、トニーは一発で男が「ドナルドダックの声を担当している人物」ということを把握したという。 その後クラレンスとは友人関係になり、お遊びでドナルドの声のモノマネを本人の前で披露していた。他のキャラクターは真似出来てもドナルドだけは最初まったく近い声が出せなかった。しかし、日々シャワールームや車の中で練習しているうちに納得した声が出せるようになり、それをクラレンスに披露すると「それでいい」と評価された。しかしその時点ではまだ声を似せているだけでドナルドの個性を把握してはいなかったと語る。 ある時、ドナルドダック生誕50周年(ローズ・パレード)のイベントにクラレンスが来なかったことを気にして尋ねた所、クラレンスの妻から白血病で入院したことを知り、トニーは急いで見舞いに向かった。その入院先でトニーはクラレンスから「ドナルドの声を頼む」と引き継ぐ意向を伝えられたが、困惑したトニーはクラレンスに「生き続けてくれ」と答えた。しかしその思いも虚しく、間もなくクラレンスは帰らぬ人となる。その後はクラレンスの言葉通り、彼が二代目を引き継ぐこととなった。なお、クラレンスが同じく担当していた甥っ子達もトニーが引き継いだ作品がいくつかある。 トニーは「ドナルドの特徴的な怒鳴り声は相当の労力を要すものだ」と語っており、あまりの辛さにジャック・ハンナに「ダッキー(クラレンス)はこんな大変なことを楽にこなしていたっていうの?」と聞いた。それに対しジャックは「とんでもない、それどころかたまに気絶していたさ」と答えている。それを聞いてトニーは少し安心したという。 死去する半年前、クラレンスは度々トニーの仕事場に来てはドナルドに関するクイズ(こういう状況で、ドナルドならどう思うか)を出していたという。この時のクラレンスの様子をトニーはクイズを楽しみながらも訝しがっていた。そしてこの時のことをトニーは「可愛がられているとは感じていたが何度も会いに来たのはドナルドを引き継ぐつもりでの行為だったと、見舞いに行った時に気づいた」と語っている。 (以上はドナルドダックの記念盤発売記念のインタビュー対談より)
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