トリチウム増殖材
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/13 10:17 UTC 版)
「チタン酸リチウム」の記事における「トリチウム増殖材」の解説
計画中のITER熱核融合実験炉などの核融合炉は燃料としてトリチウムとデューテリウムを用いる。トリチウム資源は極めて限られており、総資源量は20キログラムと推定されている。この問題を解決法の一つとして、リチウムを含有するセラミック片を、ヘリウムガス冷却固体増殖ブランケット (Helium Cooled Breeder Blanket, HCPB) と呼ばれる要素に用いることによりトリチウムを生産することができると考えられている。HCPB増殖ブランケットは、ITERの設計上鍵となる要素である。このような設計にすることで、プラズマから放出される中性子がブランケット中のリチウムと相互作用しトリチウムを生産することができる。 3 6 Li + n → 2 4 He + 1 3 H {\displaystyle {}_{3}^{6}{\hbox{Li}}+{\hbox{n}}\to {}_{2}^{4}{\hbox{He}}+{}_{1}^{3}{\hbox{H}}} 3 7 Li + n → 2 4 He + 1 3 H + n {\displaystyle {}_{3}^{7}{\hbox{Li}}+{\hbox{n}}\to {}_{2}^{4}{\hbox{He}}+{}_{1}^{3}{\hbox{H}}+{\hbox{n}}} Li2TiO3およびLi4SiO4は、トリチウム放出能が高く、活性が低く化学的に安定なため、トリチウム増殖材として有望である。
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