トリグラフ (スラヴ神話)とは? わかりやすく解説

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トリグラフ (スラヴ神話)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/20 23:12 UTC 版)

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ポーランドのウォーリンにあるトリグラフの像

トリグラフ[1]ウクライナ語 / ロシア語: Триглав英語: Triglav, troglav)は、スラヴ神話に登場する、あるいは神々の集合体である。キリスト教三位一体ヒンドゥー教三神一体と似たところがある。しばしばトロヤン (Троян) と同一視される。

概要

トリグラフは、三柱の神々からなる単体の神であるという。この三人組を構成する神は厳格には定まっておらず、時代や地域によって様々だった。古くはスヴァローグペルーンダジボーグの三柱がトリグラフを構成していたが、後世ダジボーグはスヴェントヴィトヴォロスに取って代わられた。しばしば、トリグラフが三柱の神々の融合体であるとする記述もある。まれに、トリグラフはその三柱の神々の息子である、と語られることもあり、こちらのトリグラフは同時に、より下位の神々からなる個体 (Lesser Triglav) なのかもしれない。

とある伝承では、トリグラフは布で完全に覆い隠されているという。というのも、人々の邪悪な行いを直視することができないほど神聖であるからである。人間の前に姿を現すことは滅多に無い、とされている。

トリグラフは一般に3つの頭をもった男性の姿や、3つの山羊の頭をもった男性の姿で表されることもある[要出典]

トリグラフの神殿はバルト海周辺の各地の町にあったが、ポーランドバルト海沿岸にある町シュチェチンのそばに主要な神殿があった[1]。神殿のトリグラフ像は金色の布で目と口を覆われていたといい、それはトリグラフがもつ予知能力を示唆しているという[1]キリスト教化英語版の中、これらの神殿や神像は全て破壊されてしまった[要出典]1127年にはバンベルク司教オットー英語版がシュチェチンの神殿を破壊した[1]

三頭

ランス大司教だったエボ英語版によると、トリグラフの3つの頭は、それぞれ天空・地上・地下を表しているという。トリグラフは世界を成す3つの王国(天空・地上・地下)全てを支配しており、ゆえに3つの頭をもっている、また人々が冒す罪を見ることができないため、その3対の眼を覆っているのだ、と語った者もいる。この像にある全ての眼が覆われているということから、その眼には偉大な力が宿っていると語る者もいる [2]

スロベニアにあるトリグラウ山は、このトリグラフとは関連性がないとされる[3]

脚注

[脚注の使い方]
  1. ^ a b c d 中堀 2013, p. 366.
  2. ^ Ebbo英語版, Vita Ottonts episcopi Bambergensis. III, 1. Ed. Jaffe, Monumnta Bambergensia (Bibliaiheca rerum Germamcarum 5, 1869) P. 580-692; ed. Wikarjak-Liman, Manumenta Polonine historica, ser. novas 7, 2 (1969).
    Stetin vero, amplissima civitas et major Iulin, tres momntes ambitu suo conclusos habetat. Quorum medius qui et alcior, summo paganorum deo Trigelawo dicatus, tricapitum habebat simulacrum, quod aurea cidari oculos et labia contegebat; asserentibus ydolorum sacerdotibus: ideo summum deum tria habere capita, quoniam tria procuratet regna, id est celi terre et inferni; et faciem cidari operire pro eo, quod peccata hominum, quasi non videns et tacens, dissimularet. Hac itaque potentissma civitae ad veri Dei agnicionem per beatum presulem adducta, delubra ydolorum flammis erant absumpta, dueque ecclesie, una in monte Trigelawi sub honore sancti Adelberti, alia extra civitatis menia in veneratione ancti Petri erant locate. Et ex hoc sacrificia, que copioso apparatu et diviciis sacerdotibus fanisque ydolorum exhibebantur; nunc ecclesie Christi vendicabant.
  3. ^ Snoj, Marko. 2009. Etimološki slovar slovenskih zemljepisnih imen. Ljubljana: Modrijan and Založba ZRC, p. 439.

参考文献

関連項目




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