デルタ作用素とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > デルタ作用素の意味・解説 

デルタ作用素

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/14 09:50 UTC 版)

ナビゲーションに移動 検索に移動

数学におけるデルタ作用素(デルタさようそ、: delta operator)とは、 上のある変数 に関する、多項式ベクトル空間上のシフト同変な線形作用素 で、次数を 1 下げるものである。

ここで シフト同変(shift-equivariant)であるとは、 なら

が成立することを言う。言い換えると、 のシフトであるなら、 のシフトであり、シフトベクトル を共通のものとして持つことを言う。

また、作用素 が次数を 1 下げるとは、次数 の多項式 に対し、 の次数が であるか、または 0( の場合)であることを言う。

デルタ作用素はしばしば、 についての多項式上のシフト同変な線形変換で、 を非ゼロの定数に写すものとして定義される。これは上述の定義よりも弱いように思われるが、シフト同変は十分強い条件なので、上述の定義と同値であることが示される。

はデルタ作用素である。
  • x に関する微分 D もまた、デルタ作用素である。
  • 次の形式
を取る任意の作用素はデルタ作用素である。ここで Dn(ƒ) = ƒ(n)n 階微分を表し、 である。すべてのデルタ作用素はこの形式で表されることを示すことが出来る。例えば、上述の差分作用素は次のように表される。
これは離散サンプル時間 に対する通常の微分のオイラー近似である。このデルタの公式は、高速サンプリングにおいて、シフト作用素と比較して多くの数値的な利点を備えるものである。

基本多項式

すべてのデルタ作用素 には、以下の三つの条件を満たす多項式列として定義される基本多項式(basic polynomials)の一意な列が存在する。

このような基本多項式の列は常に二項型多項式列であり、この他の二項型の列は存在しないことが示される。この初めの二つの条件が満たされない場合、三つ目の条件によって多項式はシェファー列であると言われる。これはより一般的な概念である。

関連項目

参考文献




英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「デルタ作用素」の関連用語

デルタ作用素のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



デルタ作用素のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのデルタ作用素 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS