テヒリーム_(ライヒ)とは? わかりやすく解説

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テヒリーム (ライヒ)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/03 14:47 UTC 版)

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テヒリーム』(: Tehillimヘブライ語で"詩篇"、"賛歌"の意)は、アメリカのユダヤ人作曲家スティーヴ・ライヒが、『旧約聖書』のヘブライ語テキストに基づき1981年に作曲した声楽曲である。4人の女性ヴォーカル打楽器を含む室内楽、もしくはオーケストラで演奏される。

概要

「急-急-緩-急」の4つの部分(パート1 - 4)から成っており、それぞれ『旧約聖書』の「詩篇」から選ばれた4つのテキスト(〔19:2-5〕、〔34:13-15〕、〔18:26-27〕、〔150:4-6〕。クリスチャンの翻訳では〔19:1-4〕、〔34:12-14〕、〔18:25-26〕、〔150:4-6〕)に対応している(新共同訳はヘブライ語テキストの節に準ずる)。

パート1とパート2、パート3とパート4はそれぞれ連続している。

パート4の後半は全曲のコーダとなっており、ここでは「ハレルヤ」のみが繰り返し歌われる。あらゆる楽器が総動員され、聖書の詩篇を締めくくるテキスト、「太鼓と踊り、弦、笛、高く響くシンバルをもって主を讃えよ(大意)」にふさわしいクライマックスが形成される。

作曲にあたり、ライヒはユダヤの伝統的な旋律を用いることなく、テキストとなったヘブライ語のもつリズムやアクセント、イントネーションを慎重に検討し、独自のメロディーを作り上げた。このため、この曲は複雑な変拍子になっている。また、このような作曲の経緯から、ライヒがそれまでの作品で用いてきた、短いパターンを繰り返すミニマル・ミュージックの手法はとられていない。それにも関わらず、パート1やパート4で行われる女声による4声のカノンは、彼の初期の作品『イッツ・ゴナ・レイン』や『カム・アウト』に通じる要素が見られる。

なお、この曲のパート3は、ライヒが初めて遅いテンポで書いた音楽であり、それまでで最も半音階的な手法を用いて作られた楽曲である。

演奏時間

約30分(スティーヴ・ライヒ・アンド・ミュージシャンズの演奏による)

編成

女声4

  • ハイ・ソプラノ
  • リリック・ソプラノ2
  • アルト

6種類の木管楽器

この他、任意でバスーンを加えることができる。

6種類の打楽器

鍵盤楽器

弦楽器

室内楽版を演奏する場合は打楽器以外のパート、オーケストラ版の場合は声のみをマイクで増幅する。

「ジングルの無いタンブリン」は、パート4の歌詞に登場する「太鼓」(ヘブライ語で"tớ f ")を模したものである。

参考文献

  • CD(ECM 1215 827 411-2) ライナーノート(作曲者自身の解説)



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