タンパク質一次構造の歴史
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/16 07:25 UTC 版)
「一次構造」の記事における「タンパク質一次構造の歴史」の解説
タンパク質がαアミノ酸の直鎖だという説は、1902年にカールスバートで開催された第74回ドイツ学術会議で、2人の科学者によりほぼ同時に提唱された。フランツ・ホフマイスターは、タンパク質のビウレット反応の観察に基づく発表を朝の講演で行った。数時間後にはエミール・フィッシャーがペプチド結合のモデルからの同様の発表を行った。 タンパク質がアミド結合を含んでいるという説は、1882年にはフランスの化学者であるエドアール・グリモーにより提唱されていた。これらのデータや、タンパク質が分解されるとオリゴペプチドが生じるという証拠があったにも関わらず、タンパク質は直鎖で分岐のないアミノ酸のポリマーだという主張はすぐには受け入れられなかった。ウィリアム・アストベリーのような著名な科学者でさえ、熱振動を受けやすいこのような長い分子を支えるほどの強さを共有結合が持ちうるのか疑問に思っていた。ヘルマン・シュタウディンガーも、「ゴムは高分子からできている」と主張した1920年代に同じような偏見を受けている。
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