スペシャルズ!とは? わかりやすく解説

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スペシャルズ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/07 01:58 UTC 版)

ザ・スペシャルズ
基本情報
出身地 イングランド コヴェントリー
ジャンル スカ
2トーン
ニュー・ウェイヴ
活動期間 1977年 - 1981年
1994年 - 1999年
2008年 -
レーベル 2TONE
Chrysalis
メンバー Jerry Dammers
Terry Hall
Neville Staples
Sir Horace Gentleman
Roddy Radiation
Lynval Golding
John Bradbury
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ザ・スペシャルズ (The Specials) は、イングランド2トーンバンド。1970年代後半から活動を始める。2トーンスカと呼ばれるジャンルの代表的存在だったが、象徴的メンバーであるテリー・ホールが2022年に亡くなっている。

来歴

コヴェントリー出身の白人黒人混成バンド。前身はコヴェントリー・オートマティックス。リーダーはジェリー・ダマーズで、ジャマイカのダンサブルなスカロックステディに、パンクのエネルギーと態度をミックスしたサウンドで人気を得た[1]

1979年5月、2トーン・レコードからデビューシングル「Gangsters」を発表。B面はザ・セレクターの「The Selecter」だった[2]。同年10月、ダンディ・リヴィングストンのカバー曲「ルーディたちへのメッセージ」をセカンドシングルとして発表[3]。同年同月、ファーストアルバム『The Specials』を発表。ファーストアルバムはエルヴィス・コステロがプロデューサーを務めた。

1980年1月、5曲入りのライブEP『Too Much Too Young』を発表[4]全英シングルチャート1位を記録した。同EPには、映画『ナバロンの要塞』のテーマ曲も収録されている。

全英1位に輝いた1981年のシングル「ゴースト・タウン」を最後に解散。ヴォーカルのテリー・ホールを中心とするファン・ボーイ・スリー[5]と、リーダーのジェリー・ダマーズが率いるスペシャルAKA[6]に別れた。その後、1992年にスペシャルズはレーベルメイトのザ・ビート[7]と合体し、スペシャル・ビートとして活動した。

2009年、オリジナルメンバーで26年ぶりにサマーソニック出演のため来日した。

2022年12月19日、テリー・ホールが膵臓癌で63歳で死去したことをバンド側が公表した。彼らはホールの健康状態が悪化する前に、アメリカで新しいアルバムを録音する予定だった。

在籍したメンバー

  • ジェリー・ダマーズ(Jerry Dammers) - オルガン   
  • テリー・ホール(Terry Hall) - ヴォーカル、作曲 ※2022年死去
  • Lynval Golding - リズム・ギター
  • Neville Staple - トースト、パーカション
  • Roddy Byers - リード・ギター
  • Horace Panter - ベース
  • John Bradbury - ドラムス ※2015年死去
  • Nik Torp - キーボード
  • リコ・ロドリゲス(Rico Rodriguez) - トロンボーン ※2015年死去
  • Jon Read - トランペット
  • Adam Birch - トランペット
  • Tim Smart - トロンボーン
  • Drew Stansall - サックス、フルート

ディスコグラフィ

アルバム

  • The Specials英語版 (1979)
  • More Specials (1980)
  • In the Studio (1984)
  • Today's Specials (1996)
  • Guilty 'til Proved Innocent! (1998)
  • Skinhead Girl (2000)
  • Conquering Ruler (2001)

シングル

関連項目

脚注

  1. ^ The Specials Chris Woodstra AllMusic
  2. ^ 45cat - The Special A.K.A. - Gangsters / The Selecter - 2 Tone - UK - TT 1
  3. ^ 45cat - The Specials Featuring Rico - A Message To You Rudy / Nite Klub - 2 Tone - UK - CHS TT 5
  4. ^ 45cat - The Specials - The Special A.K.A. Live - 2 Tone - UK
  5. ^ Green, Jim & Robbins, Ira "Fun Boy Three", Trouser Press
  6. ^ プロテストソング「ネルソン・マンデラ」を発表した
  7. ^ 後にメンバーの一部がファイン・ヤング・カニバルズを結成し、全米ナンバー1ヒットを放った

スペシャルズ! 〜政府が潰そうとした自閉症ケア施設を守った男たちの実話〜

(スペシャルズ! から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/09/28 13:40 UTC 版)

スペシャルズ!
〜政府が潰そうとした自閉症ケア施設を守った男たちの実話〜
Hors normes
監督
脚本
  • オリヴィエ・ナカシュ
  • エリック・トレダノ
製作 ニコラ・デュヴァル・アダソフスキフランス語版
製作総指揮 エルヴェ・リュエ
出演者
音楽 グランドブラザーズドイツ語版
撮影 アントワーヌ・サニエ
編集 ドリアン・リガール=アンスーフランス語版
製作会社
配給
公開
  • 2019年10月23日
  • 2020年9月11日
上映時間 114分
製作国 フランス
言語 フランス語
製作費 €13,060,000[1]
興行収入
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スペシャルズ! 〜政府が潰そうとした自閉症ケア施設を守った男たちの実話〜』(スペシャルズ せいふがつぶそうとしたじへいしょうケアしせつをまもったおとこたちのじつわ、Hors normes)は2019年フランスコメディドラマ映画。 監督・脚本はオリヴィエ・ナカシュフランス語版エリック・トレダノフランス語版、出演はヴァンサン・カッセルレダ・カテブなど。 実話をもとに、無認可や赤字経営の問題を抱えながらも、自閉症の子どもたちのために尽力する2人の男の奮闘を描いている[3]。フランス語の原題は「規格外」を意味する[4]

2019年5月に開催された第72回カンヌ国際映画祭のクロージング作品として上映された[5]

ストーリー

キャスト

  • ブリュノ: ヴァンサン・カッセル - 自閉症の子供たちをケアする団体「正義の声」を運営。
  • マリク: レダ・カテブ - ドロップアウトした若者たちを社会復帰させる団体「寄港」を運営。
  • エレーヌ・デュボワ: エレーヌ・ヴァンサンフランス語版 - ジョゼフの母。
  • ディラン: ブライアン・ミヤルンダマ - マリクが「正義の声」に派遣した青年。ヴァランタンの介助人に。
  • ジョゼフ・デュボワ: バンジャマン・ルシュール - 自閉症の青年。非常ボタンを押したがる。
  • ヴァランタン: マルコ・ロカテッリ - 重度の自閉症の少年。自傷行為を防ぐためにヘッドギアを着けている。
  • メナヘム: アルバン・イヴァノフ - 「正義の声」に食事を届けている料理人。ブリュノとマリクの友人。
  • アルベール・フラチ: クリスチャン・ベネデッティフランス語版 - 「正義の声」の会計士。
  • ロサン医師: カトリーヌ・ムシェ
  • 社会問題監督局(IGAS)フランス語版の調査官: フレデリック・ピエロフランス語版スリアン・ブラヒムフランス語版
  • リュディヴィヌ: リナ・クードリ - ディランが一目惚れした若い言語聴覚士。
  • シレル: アロイーズ・ソヴァージュフランス語版 - 「正義の声」のスタッフ。
  • マルケチ: ピエール・ディオ - 洗濯機修理工場の責任者。ジョゼフを1週間だけ試験的に雇う。

モデルとなった人物

ステファン・ベナム(ブリュノのモデル)
障害者支援センター「TOP GUN CLUB」を開設し、1992年にジョゼフのモデルとなったヨハンを介助することになり、1996年に自閉症の若者に人生の選択と自由を提供することを目的とした医療・社会的組織「Le Silence des Justes」を設立する[6]
ダーウド・タトウ(マリクのモデル)
2000年に、障害者支援と、無資格のカウンセラーのための社会的・職業的リハビリテーションを奨励することを目的とした組織「Relais Ile de France」を設立する[6]

製作

監督のトレダノとナカシュが1994年にステファン・ベナム(ブリュノのモデル)と出会ったことが本作の制作のきっかけであり、トレダノとナカシュはベナムとダーウド・タトウ(マリクのモデル)が取締役を務める団体についてのドキュメンタリーを制作したことがある[7]

出演者には自閉症の子供たちと素人を起用している。トレダノとナカシュが自閉症など他人とのコミュニケーションに問題を抱える人々を雇用しているアートグループに映画のワークショップを依頼し、そこで出会ったのがジョゼフ役のバンジャマン・ルシュールである[8]。ヴァランタン役のマルコ・ロカテッリは弟が深刻な自閉症であり、1人でオーディションに参加した際に「この映画に参加することで、弟に少しでも寄り添えるかもしれない。彼のことを愛せるようになれるかもしれない」と語っており、その後、彼の母親が監督たちに「あなた方に全信頼を置いているわ」と告げたことで、彼の出演が最終的に決まった[8]。また、ディラン役のブライアン・ミヤルンダマもオーディションで選ばれている[8]

主演のヴァンサン・カッセルレダ・カテブに対してトレダノとナカシュは脚本執筆前に出演をオファーし、モデルとなった団体と長時間過ごすことを要求したが、すぐに2人から快諾のメッセージが送られてきて出演が決まった[9]

カッセルは本作への出演がきっかけで自閉症について多くのことを知ることができたとした上で「(映画『レインマン』のような)天才的な素質を持っている人もいれば、そうでない人もいる。その症状は人それぞれで、何一つ同じものはない。(中略)僕はこの映画から『皆はもっと他者との違いを受け入れるべきではないのか? 君と僕とは違っているけれど、一緒に生きていこう!』という強いメッセージを感じた。“寛容さ”が今作の大きなテーマになっていると思います」と語っている[10]

作品の評価

映画批評家によるレビュー

アロシネによれば、フランスの35のメディアによる評価の平均点は5点満点中3.9点である[11]Rotten Tomatoesによれば、11件の評論のうち高評価は82%にあたる9件で、平均点は10点満点中7.4点となっている[12]

スクリーン・インターナショナル英語版のチーフ批評家であるフィオヌラ・ハリガンは「心と現実の両方から生まれた稀有な映画で、隠されたテーマに触れることができ、しかも優しさとユーモアをもって観客を迎え入れてくれる強力な融合体である」と称賛している[13]。一方、映画評論家オーウェン・グレイバーマンは「バラエティ」において主演のヴァンサン・カッセルを称賛しつつも作品自体は「映画を装った社説のように感じられる」と酷評している[14]。 またオランダ出身の映画ジャーナリストであるボイド・ファン・フーイドイツ語版は「ハリウッド・リポーター」において英題の「The Specials」にかけて「Not special enough(十分に特別ではない)」と低評価を与えている[15]

シネマトゥデイに掲載された評論によれば、映画ジャーナリストの中山治美は「観賞後、そこ(タイトル)に込められた監督たちの思いを考えずにはいられない奥深き作品である。」と高く評価している[16]。 また、ライターの斉藤博昭は「『最強のふたり』と同じく、この監督コンビ、社会派テーマをエンタメ的作劇で共感させるテクをフル稼動。」と高評価を与えている[17]。 さらに映画評論家なかざわひでゆきは「まるで密着ドキュメントさながらのリアリズム」と評している[18]

受賞歴

部門 対象 結果
第45回セザール賞フランス語版[19] 作品賞フランス語版 ノミネート
監督賞フランス語版
主演男優賞フランス語版 ヴァンサン・カッセル
レダ・カテブ
助演女優賞フランス語版 エレーヌ・ヴァンサンフランス語版
有望若手男優賞フランス語版 バンジャマン・ルシュール
オリジナル脚本賞フランス語版
  • オリヴィエ・ナカシュ
  • エリック・トレダノ
編集賞フランス語版 ドリアン・リガール=アンスーフランス語版

出典

  1. ^ a b Hors normes (The Specials) (2019)” (フランス語). JPBox-Office. 2021年8月4日閲覧。
  2. ^ a b The Specials” (英語). Box Office Mojo. 2021年8月4日閲覧。
  3. ^ スペシャルズ! 〜政府が潰そうとした自閉症ケア施設を守った男たちの実話〜 - allcinema
  4. ^ 実話に基づく感動作『スペシャルズ!〜政府が潰そうとした自閉症ケア施設を守った男たちの実話〜』”. web ふらんす. 白水社 (2020年9月2日). 2021年8月4日閲覧。
  5. ^ “Cannes festival 2019: full list of films” (英語). The Guardian. (2019年5月6日). https://www.theguardian.com/film/2019/apr/18/cannes-festival-2019-full-list-of-films 2021年8月4日閲覧。 
  6. ^ a b STAFF”. 映画『スペシャルズ! ~政府が潰そうとした自閉症ケア施設を守った男たちの実話~』 公式サイト. 2021年8月4日閲覧。
  7. ^ NOTES 1”. 映画『スペシャルズ! ~政府が潰そうとした自閉症ケア施設を守った男たちの実話~』 公式サイト. 2021年8月4日閲覧。
  8. ^ a b c NOTES 4”. 映画『スペシャルズ! ~政府が潰そうとした自閉症ケア施設を守った男たちの実話~』 公式サイト. 2021年8月4日閲覧。
  9. ^ “『スペシャルズ』監督陣が“最強の主演”を選んだ理由「二人のエネルギーが必要だった」”. cinemacafe.net. (2020年9月11日). https://www.cinemacafe.net/article/2020/09/11/68953.html 2021年8月4日閲覧。 
  10. ^ “「他者との違い」を受け入れられる世界に 「スペシャルズ!~政府が潰そうとした自閉症ケア施設を守った男たちの実話~」主演のヴァンサン・カッセル”. 時事ドットコム (時事通信社). (2020年9月13日). https://web.archive.org/web/20210804073509/https://www.jiji.com/jc/article?k=2020091101135 2021年8月4日閲覧。 
  11. ^ Critiques Presse pour le film Hors Normes” (フランス語). AlloCiné. 2021年8月4日閲覧。
  12. ^ The Specials (2019)” (英語). Rotten Tomatoes. 2021年8月4日閲覧。
  13. ^ Halligan, Fionnuala (2019年5月26日). “'The Specials': Cannes review” (英語). Screen Daily. https://www.screendaily.com/reviews/the-specials-cannes-review/5139917.article 2021年8月6日閲覧。 
  14. ^ Gleiberman, Owen (2019年6月22日). “Film Review: ‘The Specials’” (英語). Variety. https://variety.com/2019/film/reviews/the-specials-review-vincent-cassel-1203250722/ 2021年8月5日閲覧。 
  15. ^ van Hoeij, Boyd (2019年6月7日). “‘The Specials’ (‘Hors normes’): Film Review” (英語). The Hollywood Reporter. https://www.hollywoodreporter.com/movies/movie-reviews/specials-hors-normes-film-review-1216491/ 2021年8月5日閲覧。 
  16. ^ 中山治美 (2020年8月22日). “『最強のふたり』よりさらに挑戦的に”. シネマトゥデイ. https://www.cinematoday.jp/movie/T0025392/review#8300 2021年8月4日閲覧。 
  17. ^ 斉藤博昭 (2020年9月10日). “シビアな社会問題をエンタメで観せる、映画監督のセンスと心意気”. シネマトゥデイ. https://www.cinematoday.jp/movie/T0025392/review#8402 2021年8月4日閲覧。 
  18. ^ なかざわひでゆき (2020年9月12日). “公的機関に見捨てられた子供たちを救う人々の愛と信念に感動”. シネマトゥデイ. https://www.cinematoday.jp/movie/T0025392/review#8417 2021年8月4日閲覧。 
  19. ^ 2019年 第45回 セザール賞”. allcinema. 2021年8月4日閲覧。

関連項目

外部リンク




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