スパランツァーニとニーダムの実験
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/19 07:05 UTC 版)
「生命の起源」の記事における「スパランツァーニとニーダムの実験」の解説
18世紀、イングランドのジョン・ニーダムは、肉のスープを加熱した上でビンの中に入れ、コルクで完全に栓をし、次にこのビンを熱した灰の中で加熱した。そして彼はそこにいる微生物は全て死んだと判断した。だが数日後にこの肉汁を顕微鏡で観察すると微生物が生じていた。また肉以外にも豆のスープでも同様のことが起きることを確認し、「微生物はスープの中から自然に発生した。生物の自然発生は実験によって証明された」とした。 その実験を知ったイタリアのラザロ・スパランツァーニは、ニーダムの実験に不備があったと考えた。1765年、フラスコに入れたスープにコルク栓で蓋をしたもの以外に、口を溶かして密封したものを複数作り、さらにそれらをさまざまな長さの時間熱湯にひたして比較する実験を行った。栓をしたものや、密封したが熱湯につける時間が短かったフラスコには微生物が生じたが、密封して熱湯に1時間ほどつけておいたものには発生していなかった。それによって「微生物も物質からは生まれない(自然発生しない)」とした。これによりヨーロッパの学会で、どちらの説が正しいかについて大論争が巻き起こった。ニーダムは、「スパランツァーニの実験ではフラスコを密封し加熱したため、新鮮な空気が破壊され、微生物が生きられない状態になったのだ。コルクの栓で蓋をした場合は新鮮な空気が入ってくるから微生物が発生できるのだ」と反論した。これにはスパランツァーニもうまく反論できなかった。
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