ジアリールヨードニウム塩
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/10/17 09:07 UTC 版)
「超原子価ヨウ素化合物」の記事における「ジアリールヨードニウム塩」の解説
ジアリールヨードニウム塩 (英: diaryliodonium salt) は [Ar-I+-Ar]X- のタイプの塩である。この塩の名称は紛らわしく、IUPAC はジアリール-λ3-ヨーダンという名称を推奨している。このような化合物は1894年に初めて合成された(マイヤー・ハートマン反応)。対イオンのハロゲン化物イオンにより、ジアリールヨードニウム塩はあまり有機溶媒に対する可溶性をもたない。しかし、トリフラートやテトラフルオロホウ酸塩とすることで溶解性を改善できる。 ジアリールヨードニウム塩は多くの方法で合成することができる。1つの合成法は、まずヨウ化アリールをアリールヨウ素(III)化合物 (ArIO, ArIO2) に酸化し、次にアレーン(芳香族求電子置換反応)、アリールスタンナンまたはアリールシランと配位子交換する方法である。また、前もって準備しておいたヨウ素酸、硫酸ヨードシル、ヨードシルトリフラートのような超原子価ヨウ素化合物から合成する方法がある。 ジアリールヨードニウム塩は、配位子の1つを交換しているヨウ素を求核剤として反応し、配位子による置換、または還元的脱離によって置換アレーン ArNu とヨードベンゼン ArI を形成する。 また、ジアリールヨードニウム塩は金属 M と反応して中間体 ArMX を経由するクロスカップリング反応を起こす。
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