シリルヒドリド
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/03/25 14:26 UTC 版)
ケイ素−水素結合は C−H 結合よりも長く(それぞれ 148 pm, 105 pm)弱い(それぞれ 299 kJ/mol, 338 kJ/mol)。負電荷を帯びるのは水素原子のほうであるため、ケイ化水素でなくシリルヒドリド(水素化ケイ素)と呼ばれる。シリルヒドリド(シラン)類は反応性が非常に高く、ポリ(メチルヒドロシロキサン) (PMHS) などは還元剤として用いられる。 トリエチルシリルヒドリド(トリエチルシラン)がアジ化フェニルをアニリンに変換する試薬として用いられた例が報告されている。 この反応では、アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル) (ACCN) がラジカル開始剤として、脂肪族チオールがシリルヒドリドにラジカルを転移させる試薬として用いられている。発生したトリエチルシリルラジカルがアジドと反応すると窒素分子の遊離を伴って N-シリルアリールアミニルラジカルを生成させ、これがチオールから水素を引き抜き、触媒サイクルを形成する。水で後処理を行うとアニリンが得られる。
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