サソリと四肺類の書肺
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/30 03:21 UTC 版)
「サソリ#系統と進化」も参照 古典的な系統仮説では、クモガタ類の中でサソリと四肺類(クモ・ウデムシ・サソリモドキ・ヤイトムシなど)は別系統とされるに加えて、水棲と思われる基盤的な化石サソリもあるため、サソリと四肺類は収斂進化をし、それぞれ独自に上陸しながら書肺を得ると考えられた。しかし21世紀以降では、両者の類縁関係(蛛肺類を構成する)が分子系統解析と遺伝子重複に有力視され、お互いの書肺の顕微構造にも少なからぬ共通点が発見されており、基盤的なサソリの水棲説も化石の再検証によって否定される。こうして伝統的なサソリの水棲起源説と書肺の複数起源説が徐々に否定され、代わりにサソリと四肺類の書肺は単一の起源にあり、その共通祖先は、既に書肺を有する陸棲のクモガタ類であると考えられる。一方で、書肺の代わりに気管をもつ(ダニ・カニムシ・ザトウムシ・ヒヨケムシ・クツコムシ)、もしくは呼吸器を欠くクモガタ類(コヨリムシ・一部のダニ)はお互いに遠縁で、四肺類の中でも書肺を気管に進化したものがあるため(後述参照)、書肺の退化と気管の進化は、クモガタ類の中で複数回に起きていたと考えられる。
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