コスモス1686号とは? わかりやすく解説

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コスモス1686号

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/05 16:11 UTC 版)

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コスモス1686号
コスモス1686号。
所属 ソビエト連邦
国際標識番号 1985-086A
カタログ番号 16095
状態 運用終了
目的 物資輸送
打上げ機 プロトンロケット
打上げ日時 1985年9月27日
質量 18トン
発生電力 2.4kW
軌道要素
軌道 低軌道
近点高度 (hp) 281km
遠点高度 (ha) 315km
軌道傾斜角 (i) 51.6度
軌道周期 (P) 90.5分
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ドッキングしたサリュート7号(右上)とコスモス1686号。

コスモス1686号(コスモス1686ごう、ロシア語:Космос-1686、ラテン文字表記の例:Cosmos 1686)とは、1985年ソビエト連邦によって打ち上げられた宇宙ステーションへの補給船。TKSの4回目の飛行で、3回目の補給ミッションだった。

設計

コスモス1686号は、TKSと呼ばれる重量18トンの大型宇宙船で、帰還用のVAカプセルと、大きな内容積を持つFGBモジュールから構成されていた。もともとはアルマース宇宙ステーションへの補給のために開発されたが、アルマース計画のキャンセルに伴いサリュート計画の補給ミッションに使用された。設計上は有人打ち上げも可能だったが、実際に有人で打ち上げられることはなかった。

コスモス1686号はサリュートに結合したまま大気圏に突入する予定だったため、帰還カプセルは不要となった。このため以前のTKSと異なり、カプセルはスペクトル計や赤外線望遠鏡を備えた観測モジュールに改造された。

飛行

コスモス1686号は、1985年9月27日バイコヌール宇宙基地からプロトンロケットによって無人で打ち上げられた。5日後の10月2日にサリュート7号とドッキングし、4.5トンの積荷を送り届けた。このときサリュートにはソユーズT-14の宇宙飛行士が滞在していた。

1985年11月21日、ソユーズT-14が帰還し、宇宙ステーションは無人になった。

1986年5月6日ソユーズT-15で宇宙飛行士が訪れ、6月25日まで滞在した。これがサリュート7号最後の有人ミッションとなった。同年8月、コスモス1686号はエンジンを噴射し、宇宙ステーションの軌道高度を475kmまで押し上げた。その後、軌道高度は大気の抵抗のため低下し続けた。

1991年2月7日、コスモス1686号はサリュート7号とともにアルゼンチン上空で大気圏に突入した。

コスモス1686号はTKSの4回目の飛行で、一つ前のTKSのミッションは1983年4月のコスモス1443号だった。純粋なTKSのミッションはコスモス1686号で終了したが、1987年3月にはTKSの設計を流用したクバント1モジュールが打ち上げられた。

1985年10月8日観測の飛翔体

1985年10月8日19時53分頃、関東から四国にかけて観測された発光する飛翔体は、コスモス1686号打ち上げに使われたロケットモジュールの大気圏再突入であるとみられている[1]。この飛翔体は当時甲子園球場で開催されていた阪神タイガースヤクルトスワローズ戦の中継カメラにも収められた[2]

参考文献

関連項目

  1. ^ 『天文年鑑 1987年版』誠文堂新光社、135頁。
  2. ^ (日本語) '85 甲子園上空にUFO?, https://www.youtube.com/watch?v=b0jB735EvqI 2021年5月5日閲覧。 



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