クロハツモドキ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/12 21:48 UTC 版)
クロハツモドキ | |||||||||||||||||||||||||||
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Russula densifolia
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分類 | |||||||||||||||||||||||||||
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学名 | |||||||||||||||||||||||||||
Russula densifolia Secr. ex Gillet (1876)[1] | |||||||||||||||||||||||||||
和名 | |||||||||||||||||||||||||||
クロハツモドキ(黒初擬) | |||||||||||||||||||||||||||
英名 | |||||||||||||||||||||||||||
crowded russula、reddening russula |
クロハツモドキ(黒初擬[2]、学名: Russula densifolia)は、茶色から白色のキノコで、赤色から黒色に色が変わる。毒キノコであり、子実体を食べると、消化器系の中毒を起こし、場合によっては死に至るおそれがある。地方名では、クロヂワレ(長野県)、シチベエ(秋田県)ともよばれる[2]。
分布
北半球の[3]針葉樹林や広葉樹林の[2][4]林内の地上に分布[3]。
形態
子実体は傘と柄からなる。傘径は6 - 10センチメートル (cm) [3]。はじめは窪んだまんじゅう形で[5]、生長すると漏斗形になる[3][2]。傘の表側は平滑・無毛で、湿っているときは粘性がある[5]。表面は幼菌のとき類白色で、のちに黒褐色や黒色[2][3]、灰褐色となる[3]。
傘の裏側のヒダは、幅広く密生し細かい[6][2][3][4][5]。柄に対して離生し、白色から淡黄土色で、のち老成し、黒色を帯びる[5]。胞子は表面にアミロイドの装飾物をつける[3]。
柄は3 - 5 cm[3][4]。太い棒状で、中実から髄状。表面は白色から黒色になる[5]。傷つけるとすぐ赤く変色し、のち黒くなる[2]。
肉は白色で、無味無臭[2]。肉は傷つくと赤色になり、のちゆっくりと黒色になる[2][5][3]。また、空気に触れるとすぐに赤くなる[5]。
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クロハツモドキの子実体
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胞子の顕微鏡画像
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表皮は老成や傷、肉は傷や空気に触れると、赤くなりすぐ黒くなる
生態
夏から秋に[2][3][4][6]、針葉樹林や広葉樹林[2][4]、落葉樹林内にもはえる[6]。菌根菌[4]。
毒
毒成分は不明だが、子実体を食べると嘔吐、下痢などの胃腸系の中毒を起こすことがある[2]。過去には生食しなければ問題ないとされたこともあったが、今では死に至る可能性も指摘されている[3]。
脚注
- ^ “Russula densifolia”. MYCOBANK Database. 国際菌学協会 (IMA) とウェスターダイク菌類生物多様性研究所. 2025年3月13日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j k l 長沢栄史 監修、Gakken 編『日本の毒きのこ』Gakken〈増補改訂フィールドベスト図鑑 13〉、2009年9月28日、189頁。ISBN 978-4-05-404263-6。
- ^ a b c d e f g h i j k l 今関六也・大谷吉雄・本郷次雄、山渓カラー名鑑『増補改訂新版 日本のきのこ』、山と渓谷社、2011年、356・359頁
- ^ a b c d e f 保坂健太郎、小学館の図鑑NEO『[改訂版]きのこ』、小学館、2017年、359頁
- ^ a b c d e f g 柳沢まきよし、ポケット図鑑『新版 日本のキノコ275』、文一総合出版、2022年、228頁
- ^ a b c 今関六也・本郷次雄 カラー自然ガイド『きのこ』、保育社、1986年、41頁
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