クルアーンにおけるアロン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/03 01:15 UTC 版)
イスラム教の聖典『クルアーン』(コーラン)では、アロンすなわちハールーン( هارون Hārūn)は過去の預言者のひとりとして登場する。 ハールーンはムーサー(聖書のモーセ)の兄で、ユダヤ教徒に律法を伝えた使徒であるムーサーを助けるために神によって預言者に選ばれた。クルアーンにおいて、神(アッラーフ)は「ハールーンをワズィール(宰相)とした」と語っており、イスラム共同体における指導者の政治的な補佐役であるワズィールの典型とみなされる。ムーサーよりも雄弁な人物ともされ、ムーサーは自らの言葉を信じてくれる援助者としてムーサー自身と一緒に兄ハールーンを遣わしてくれるよう神に懇願している。またハディースにおいては、イスラームの預言者ムハンマドはアリーに「あなたは私にとってムーサーにとってのハールーンのような立場である。ただし私の後には預言者はいない。」と述べたという伝承がある(ムスリムの『真正集』より)。シーア派ではこの伝承は預言者ムハンマドの第一後継者と考える一つの根拠とされている。 ハールーンの名はムスリム(イスラム教徒)にとって一般的な男性名のひとつであり、ハールーン・アッ=ラシードらの名に用いられている。
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