クリモヴァの財宝
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/07 13:58 UTC 版)

クリモヴァの財宝(クリモヴァのざいほう、英:Klimova Treasure)またはクリモワの財宝は、初期ビザンツ帝国(東ローマ帝国)およびサーサーン朝の銀製品から成る宝物群であり、1907年にロシア帝国ペルミ県(現在のロシア連邦ペルミ地方)のクリモヴァ村付近で発見されたものである[1]。
この財宝は、同地域で発見されたビザンツ帝国およびサーサーン朝の銀器の複数の埋蔵品の一つであり、これらは総称してペルミの財宝と呼ばれている[1][2]。
詳細
クリモヴァの財宝に含まれるビザンツ帝国の品々の中には、ヤギ飼いの姿が描かれた皿があり、これはユスティニアヌス1世の銀器刻印が確認されている[1][3][4]。また、7世紀の十字架装飾が施された皿が2点含まれている[1][4]。
サーサーン朝の品々には、シャープール3世と推定される王がヒョウを討つ場面を描いた皿や、木の下にいる雌トラが描かれた皿などが含まれる[1]。
このほかにも、8世紀または9世紀のイランの皿や、マー・ワラー・アンナフルに由来する品なども、クリモヴァの財宝に関連する作品として知られている[2]。バケツ状の器も発見されている[1]。
現在、クリモヴァの財宝はサンクトペテルブルクのエルミタージュ美術館に所蔵されている[1]。
出典
- ^ a b c d e f g Nicholson, Oliver, ed (2018). The Oxford dictionary of Late Antiquity (First edition ed.). Oxford, United Kingdom: Oxford University Press. ISBN 978-0-19-866277-8
- ^ a b Hobbs, Richard (2006). Late Roman Precious Metal Deposits c. AD 200-700: Changes over time and space. Ann Arbor, MI: University of Michigan Press. ISBN 978-1-84171-934-4
- ^ “Ernst Kitzinger, The Art of Byzantium and the Medieval West: Selected Studies. Edited by W. Eugene Kleinbauer. Bloomington, London: Indiana University Press, 1976. Pp. xxii, 419; 169 figures on 86 plates, 17 figures in text. $22.50.”. Speculum 52 (03): 763–764. (1977-07). doi:10.1017/s003871340012665x. ISSN 0038-7134 .
- ^ a b Carr, Annemarie (2002-08-01). “Annemarie Weyl Carr. Review of "Sinai, Byzantium, Russia: Orthodox Christian Art from the Sixth to the Twentieth Century" by Yuri Piatnitsky, Oriana Baddeley, and Earleen Brunner.”. caa.reviews. doi:10.3202/caa.reviews.2002.42. ISSN 1543-950X .
- クリモヴァの財宝のページへのリンク