キ119 (航空機)とは? わかりやすく解説

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キ119 (航空機)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/08 21:29 UTC 版)

キ119は、日本陸軍によって計画された戦闘爆撃機。設計は川崎航空機。設計開始が1945年3月だったため、設計途中で終戦を迎えた。

概要

1945年(昭和20年)3月に日本陸軍は、川崎航空機に対して胴体下に爆弾を懸架して敵の艦船を攻撃し、攻撃後は敵の戦闘機と交戦できる新しい機種の開発を命じた。 川崎では土井武夫技師を主任として開発を開始し、同年の6月には実物大の木型(モックアップ)を完成させた。

提示された設計上の条件[1]

  • 単座で急降下速度800kmと空戦に必要な強度を持つこと
  • エンジンは実用中のハ104を使用すること
  • 航続距離は800kg爆弾搭載で600km、特別装備では1200km
  • 最低限度の武装は、20mm砲2門以上
  • 急速量産の必要性から鍛造部品を極力さけ、かつ機械部品の点数削減に努める
  • 整備の簡便性を追求

計画された機体は、全幅約14m、全長約12m、重量約6tという巨体の単発機で、外観は五式戦闘機を大型にした感じであった。機体構造は全金属製とし、本機は川崎で転換生産されつつあった四式重爆撃機の簡易化・代替用のものとされたため、当初エンジンは四式重爆と同じハ104(ハ42-11相当)、三菱重工業が四式重爆の性能向上型(キ67-II)を実用化できた場合にはハ214を装備することが考えられていた。その他、既存の機体の設計を流用することによって、開発期間の短縮化を図っており、稼働率向上のため整備の簡便化をも考慮していた。戦闘用の武装は20mm機関砲2門で機首に装備とされた。

木型審査後、すぐに試作機の製作にとりかかったが、戦局の逼迫により作業は進まず、設計原図の段階で敗戦を迎えることとなった。 当初の予定では、昭和20年9月に試作第1号機が完成する予定であった。

スペック

  • 全長:11.85m
  • 全幅:14.00m
  • 全高:4.50m
  • 翼面積:31.9m2
  • 自量:3,670kg
  • 全備重量:5,980kg
  • 最大速度:580km/h
  • 発動機:ハ214(ハ104性能向上型)
  • 航続力:1,200km・(非爆装時2,000km)
  • 上昇限度:10,500m
  • 武装
    • 20mm機関砲×2
    • 爆弾 800kg
  • 乗員 : 1名

(データは計画値)

参考文献

  • 『歴史群像シリーズ 日本陸軍軍用機パーフェクトガイド 1910〜1945』(学習研究社、2005年)

脚注

  1. ^ 小川利彦著「幻の新鋭機」1977年廣済堂刊118頁

関連項目





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