カール・ポパーの批判
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/05 14:19 UTC 版)
「論理実証主義」の記事における「カール・ポパーの批判」の解説
よく知られた論理実証主義の批判者はカール・ポパーである。彼は1934年に『Logik der Forschung』(『科学的発見の論理』)を発表した。1959年には、彼自身の英訳により『The Logic of Scientific Discovery』が発表された。その中で彼は、論理実証主義者たちの「検証可能性」の基準は科学の基準としては厳しすぎるので、それに代えて反証可能性の基準を使うべきだと主張した。ポパーは、帰納的推論の検証に内在する哲学的問題を招かず、また、科学的に見えるのに検証可能性の基準を満たさない物理科学的な言明を従わせられるので、反証可能性はより良い基準だと考えた。 ポパーの関心は、有意味な言明を有意味でない言明から区別することではなく、科学的言明を形而上学的言明から区別することであった。論理実証主義者たちと違って、彼は、形而上学的言明は無意味だとは主張しなかった。彼は、ある世紀に「形而上学的」で反証不可能であった言明も(古代ギリシアの原子論のように)別の世紀には、結果として形而上学的な観点も持つが反証可能な理論へと発展することができ、最終的に科学的になると主張した。 ポパーは、科学は帰納的推論に基づくとか、帰納的推論が実際に存在するといったことを否定したが、現在でも大多数の科学者は科学が帰納的推論に基づくことは明らかだと考えている。
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