カフワ・アラビーヤ
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カフワ・アラビーヤ (アラビア語フスハー:قهوة عربية qahwah ʿarabiyyah、英語: Arabic coffee) は、アラブ諸国で飲まれているコーヒーの総称。レバノンでは qahwi カフウィ、エジプトではʿahwah アフワと称する。日本や英語圏では「アラビアコーヒー」や「アラビックコーヒー[1][2]」などとも呼ばれる。
概要
入れ方はトルココーヒーと同じく、粉に挽いたコーヒー豆をイブリーク(إبريق)と呼ばれる取っ手のついた小さな鍋に入れ、水を注いで、何度か沸騰を繰り返した後小さなカップに入れて飲む。イブリークという名前はアラビア語フスハーのibrīq イブリークに由来し、もともと細口のポットを意味する。アラビア語では、エジプト等:kanaka カナカ、レバノン:raqwi ラクウィと呼ばれている。
カフェ(フスハー:مقهى maqhā マクハー、エジプト口語:カフワ又はカハーウィ)で飲む他、家庭で飲む場合は、飲む都度コーヒー豆を煎って挽くこともある。とくにベドウィンにはこのような習慣が残っている。スーダンでは、コーヒー豆を煎ってからコーヒーをいれるまでの手順の美しさが喜ばれる。
砂糖を入れ、カルダモンで風味をつけることが多い。イエメンでは、コーヒー豆の果肉と内果皮のみを煎ったカフワ・キシュリーヤと呼ばれるコーヒーも飲まれている。
お茶請けとして、ナツメヤシの実デーツなどの果物、菓子と一緒に饗される[3]。
歴史
飲用されていたとされる証拠として、15世紀のイエメンにあるスーフィー派の寺院に記録があり、夜の祈りで目を覚ますために用いられたとされる。
1511年に、メッカの宗教裁判でコーヒーの効用から禁止され、メッカ事件などが起きた[4]。しかし、この裁定は1524年にオスマントルコのスルタン、スレイマン1世の命令により撤回された[5]。その後もさまざまな場所で禁止と撤回のいざこざが起きた。
2015年、ベドウィンの来訪者に対してアラビアコーヒーを振る舞う行為(ホスピタリティ)が、「Arabic coffee, a symbol of generosity(アラビアコーヒー、寛容さの象徴)」として、アラブ首長国連邦・サウジアラビア・オマーン・カタールの共同申請によりユネスコの無形文化遺産に登録された[6]。
脚注
- ^ https://www.city.okayama.jp/orientmuseum/0000023148.html
- ^ https://palmyra-dates.com/product/arabic-coffee/
- ^ “Gulf Arabic coffee - qahwa arabiyyah”. web.archive.org (2017年5月6日). 2025年2月15日閲覧。
- ^ “resource for Arabic books”. www.alwaraq.net. 2019年8月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年4月3日閲覧。
- ^ Schneider, Irene (2001). “Ebussuud”. In Michael Stolleis (ドイツ語). Juristen: ein biographisches Lexikon; von der Antike bis zum 20. Jahrhundert (2nd ed.). München: Beck. p. 193. ISBN 3-406-45957-9
- ^ Arabic coffee, a symbol of generosity Intangible Cultural Heritage - UNESCO
関連項目
- カフワ・アラビーヤのページへのリンク