カフェ・ド・ラ・ヌーヴェル・アテーヌとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > カフェ・ド・ラ・ヌーヴェル・アテーヌの意味・解説 

カフェ・ド・ラ・ヌーヴェル・アテーヌ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/05/28 22:37 UTC 版)

ナビゲーションに移動 検索に移動
19世紀のカフェ・ド・ラ・ヌーヴェル・アテーヌ。

カフェ・ド・ラ・ヌーヴェル・アテーヌ (Café de la Nouvelle Athènes) は、フランスパリピガール広場英語版9番地にあったカフェ。19世紀、エドゥアール・マネ印象派の画家たちが集ったことで知られる。

場所

カフェ・ド・ラ・ヌーヴェル・アテーヌ
カフェ・ド・ラ・ヌーヴェル・アテーヌ (パリ)

パリ9区モンマルトルの丘の近くに位置する[1]

マネと印象派の集まり

マネや、エドガー・ドガなどの後の印象派を形成する若手芸術家たちは、1860年代後半から1870年代前半にかけて、パリのカフェ・ゲルボワに集まり、「バティニョール派」と呼ばれていた。そこに版画家マルスラン・デブータンも参加したが、1873年半ば頃、デブータンが、カフェ・ド・ラ・ヌーヴェル・アテーヌに行きつけのカフェを変えたようであり、それに伴って、皆のたまり場がここに移り変わった[2]

批評家のジョルジュ・リヴィエールは、次のように書いている[3]

ヌーヴェル・アテーヌに、我々はしばしば大勢で集まった。にこやかで優雅なマネは、とても若々しい風情で、デブータンの隣に座りにやってきては、彼と愉快な対照をなしていた。ドガは、ルイ=フィリップ・スタイルのブルジョワのような様子で、同時代人に対する辛辣な言葉を携えてやってきた。

カフェ・ゲルボワの常連だったエミール・ゾラアンリ・ファンタン=ラトゥールザカリー・アストリュクフィリップ・ビュルティアルマン・シルヴェストルフランス語版らに加えて、ジャン=ルイ・フォランジャン=フランソワ・ラファエリアンリ・ゲラールフランス語版ジャン・リシュパン英語版オーギュスト・ヴィリエ・ド・リラダン、カバネらがカフェ・ド・ラ・ヌーヴェル・アテーヌに集まった。ピエール=オーギュスト・ルノワールも顔を出した[4]

カフェ・ド・ラ・ヌーヴェル・アテーヌを舞台にした作品として有名なのは、ドガの『アブサンフランス語版』であり、女優エレン・アンドレフランス語版とデブータンがモデルとなっている[5]

ラファエリは、ルイ・エドモン・デュランティの紹介で、ドガ、フォラン、フェデリコ・ザンドメーネギらカフェ・ド・ラ・ヌーヴェル・アテーヌの仲間に加わるようになったと思われる[6]。しかし、ラファエリをはじめとするドガの仲間に印象派グループ展への参加を認めるかどうかは、印象派グループ内に対立をもたらした[7]ギュスターヴ・カイユボットは、カミーユ・ピサロへの手紙の中でドガの批判をする際、次のように書いている[8]

ドガが私たちの中に不和を持ち込んだのです。彼にとって不幸なことですが、彼の性格は善良とはいえません。絵画制作に専念した方がよいと思われる時に、彼はカフェ・ド・ラ・ヌーヴェル・アテーヌや社交界で熱弁を振るって時間を過ごしています。 — ギュスターヴ・カイユボット、ピサロへの手紙(1881年1月24日)

その後

第一次世界大戦後、この店があった建物では、モニコ (Monico) というレストランが営業し、その後、El embajador del tango、スフィンクス、ナルシスなどと名前が変わった後、建物が建て替えられ、高級百貨店が営業した[9]

関連作品

脚注

参考文献




英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「カフェ・ド・ラ・ヌーヴェル・アテーヌ」の関連用語

カフェ・ド・ラ・ヌーヴェル・アテーヌのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



カフェ・ド・ラ・ヌーヴェル・アテーヌのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのカフェ・ド・ラ・ヌーヴェル・アテーヌ (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS