メトロ (小売業)
(カウフホーフ から転送)
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デュッセルドルフの本社
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種類
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AG |
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業種 | 小売 |
設立 |
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本社 | 、 |
事業地域
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ヨーロッパ、パキスタン |
主要人物
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製品 | 食品および非食品 |
売上高 | ![]() |
営業利益
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利益
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総資産 | ![]() |
純資産 | ![]() |
従業員数
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87,810(2023年 - 2024年)[3] |
ウェブサイト | www |
メトロ (Metro AG) は、ドイツのノルトライン=ヴェストファーレン州デュッセルドルフに本部を置く、ドイツ最大、ヨーロッパでも有数の規模を持つ小売企業グループ[4][5]。2024年3月時点で、21か国に626店舗を展開している[6]。
フランクフルト証券取引所に上場していた (FWB: B4B) が、2025年4月に上場廃止した。
歴史
1963年11月にエッセンでエルンスト・シュミットとヴィルヘルム・シュミット=ルーテンベルクの兄弟が「Metro」の名で現金問屋店舗を開いたのが始まり。翌1964年にミュールハイム・アン・デア・ルールで同じく現金問屋の設立を計画していたシュテッカー&ラインスハーゲン社 (Stöcker & Reinshagen) を経営するシェル (Schell) 家がシュミット兄弟と知り合い、合同で会社を興すことに合意した。こうして、メトロSBグロースマルクト社 (Metro-SB-Großmarkt GmbH & Co. KG) がミュールハイムに設立され、後にデュッセルドルフに移転した。1966年には3店舗目が西ベルリンに開店した。
シュテッカー&ラインスハーゲン社の支配人であったオットー・バイスハイムの指揮のもと、メトロSBグロースマルクト社はケルンやハンブルク、ミュンヘンなど各都市に出店を進め、さらにSHVホールディングスとの提携によりオランダにも進出した。
1980年に百貨店チェーン「カウフホーフ」の24.9%を買収。1996年3月、カウフホーフなどとの合併に伴い、社名をメトロAGとした。
カウフホーフ
カウフホーフ (Kaufhof) は、かつてメトロ傘下にあったドイツの大手百貨店・小売会社のグループ。1879年にレオンハルト・ティーツにより創業された[7]。本社はケルン[8]。百貨店「カウフホーフ」の運営のほか、子会社により家電量販店・衣料品店などの小売業やレストランも展開していた。
1905年にレオンハルト・ティーツ社 (Leonhard Tietz AG)、1933年にヴェストドイチェ・カウフホーフ社 (Westdeutsche Kaufhof AG)、カウフホーフ・ホールディング社 (Kaufhof Holding AG) と社名が変遷したのち、1996年3月にメトロに吸収され、カウフホーフ・ヴァーレンハウス社 (Kaufhof Warenhaus AG) となっていたが、2008年にガレリア・カウフホーフ社 (Galeria Kaufhof GmbH) に改められた。
2015年にハドソンズ・ベイ・カンパニーに買収されたが、2018年にシグナ・ホールディングスが過半数、翌2019年6月に全株式を取得。同年11月、同じくシグナ傘下の百貨店チェーンであるカールシュタット (Karstadt) とガレリア・カウフホーフが合併し、ガレリア・カールシュタット・カウフホーフ (Galeria Karstadt Kaufhof) となった。なお、これに先立つ同年3月より、カールシュタットとガレリア・カウフホーフの全店舗が「ガレリア・カールシュタット・カウフホーフ」のブランドに統一されていた。2021年8月からはブランド名称が「ガレリア」となっている。
メトロキャッシュアンドキャリー
メトロキャッシュアンドキャリー (Metro Cash & Carry) はレストラン・商店などの中小事業者を対象としたキャッシュ&キャリー(現金問屋)方式の会員制卸売チェーン。
日本法人
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種類 | 株式会社 |
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市場情報 | 非上場 |
略称 | メトロジャパン、メトロC&C |
本社所在地 | ![]() 〒140-0013 東京都品川区西五反田1-26-2 五反田サンハイツビルディング2階 |
設立 | 2000年(平成12年)11月27日 |
業種 | 卸売業 |
法人番号 | 9010701013893 |
事業内容 | 飲食店・小売店向けの食品卸売り |
代表者 | 大矢妙子(代表取締役社長) |
資本金 | 222億4000万円 |
従業員数 | 750人 |
主要株主 | Metro Cash & Carry International GmbH |


日本では、丸紅と提携し[9]、共同出資の形で2000年(平成12年)11月27日にメトロキャッシュアンドキャリージャパン株式会社を設立[10]。2009年に丸紅との合弁を解消、首都圏で10-15店体制を築くほか、関西地方進出も検討し、全国25店体制に拡大する計画を示していた[11]。2018年4月時点で、首都圏に10店舗、店舗面積3,000平方メートルを展開していたが、日本の卸売市場は細分化され、競争も激しく、望ましい結果につながらなかったとして、2021年10月をもって国内全店舗を閉店し日本から撤退した[12]。
企業間取引の卸売業であるため、日本では一般消費者は利用できず、大規模小売店舗立地法(大店立地法)が適用されない「食のプロフェッショナル」を対象とした卸売営業となっていた[13]。利用に際しては無料の会員登録が必要で、その際に食品小売業や飲食業・酒類販売業免許の営業許可証、法人の登記簿や確定申告書の提出を求めており、営業担当の社員が定期的に顧客を訪問して営業実態を確認するなど、厳密な運用が行われていた。
ただし立地場所の「地域貢献」として、事業者以外でも、自治会・PTAなどの地域団体の登録も受け付けていたが、大店立地法の関係で、入店できる日数は制限されていた。2021年には、新型コロナウイルス感染症の流行の影響で売上が激減したため、地域貢献会員(一般消費者)向けの「一般開放日」を設定し、近隣住民の利用も可能となっていた。ただし、利用には会員登録と身分証明書の提示が必須となっており、事業者向け会員とは違う区分であった。
早朝の6時から夕方19時までの営業、定休日は1月1日のみ、ワンストップで済む品揃え、経営相談サービスを行っているのも特徴であった。
店内では、営業時間中にもフォークリフトが稼働していたため、顧客の安全確保のために15歳未満の入店は禁止されていた。ただし、乳児を同伴する場合、やむを得ない場合は書面で申請のうえで認められていた。また、同伴者の入店は最大4人までとなっていた。
支払いは現金払いのほか、Visa・MasterCardブランドのみクレジットカードやデビットカードも利用が可能であった。
店舗
- メトロ
- メトロキャッシュアンドキャリー
- メトロドライブ
- 商品の陳列販売は行わず、注文商品の受け取りのみを取り扱っていた。実験店舗として展開し、閉店後は千葉店に統合。
批判
2022年に始まったロシアのウクライナ侵攻を受けて、数多くの企業がロシア市場から撤退する中、メトロはロシアにおける営業を継続すると表明し、批判を浴びた[14][15][16][17]。ウクライナ政府はメトロのボイコットを呼びかけ[18]、さらにメトロのウクライナ現地法人も、メトロのロシア法人に対する制裁を公然と求めたが、元ウクライナ官房長官のドミトロ・デュビレトによれば、これに対してドイツ本部から商品の供給を止めるという脅しがあった[19]。ウクライナの国家汚職防止庁は、2023年2月にメトロを国際的戦争支援企業に指定した[20][21]。
脚注
- ^ “Metro AG Management Board” (英語). 2021年6月29日閲覧。
- ^ “Kretinsky-Mann ist neuer Chef des Metro-Aufsichtsrats” (ドイツ語). Lebensmittel Zeitung (2025年2月19日). 2025年6月12日閲覧。
- ^ a b c d e f “Annual Report 2023/24” (英語). metroag.de. 2025年6月12日閲覧。
- ^ “食材卸しのMETRO(メトロ)とフードトラックカンパニーは共同でキッチンカー開業セミナーを実施します。”. フードトラックカンパニー. PR TIMES (2021年6月16日). 2021年7月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年6月11日閲覧。
- ^ “世界各国のメトロ”. メトロキャッシュアンドキャリー. 2021年7月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年4月5日閲覧。
- ^ “METRO” (英語). Metrog-cc.de. 2024年3月29日閲覧。
- ^ “Warenkaufhaus: Gründung der Leonhard Tietz AG in Stralsund 1879” (ドイツ語). Dlf Nova (2019年8月16日). 2021年7月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年7月11日閲覧。
- ^ “GALERIA Karstadt Kaufhof Köln Hohe Straße Öffnungszeiten” (ドイツ語). GALERIA Karstadt Kaufhof GmbH. 2021年7月11日閲覧。
- ^ “メトロ/都心型小型店を首都圏に拡大、モデル店舗を蒲田にオープン”. 流通ニュース. ロジスティクス・パートナー (2017年3月28日). 2021年7月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年7月11日閲覧。
- ^ “会社概要”. メトロ. 2021年9月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年4月5日閲覧。
- ^ 「独メトロ、日本で積極出店 会員制卸売店、25店体制へ」『日本経済新聞』2009年10月23日。2009年10月24日閲覧。
- ^ 「独メトロ、日本撤退 関東にスーパー10店 -10月末」『時事通信』2021年8月7日。2021年8月8日閲覧。
- ^ “食のプロ専用卸売り市場 メトロ キャッシュ アンド キャリー ジャパン 「実業家の日」を開催”. フーズチャネル. インフォマート (2019年9月27日). 2021年7月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年7月11日閲覧。
- ^ “Metro to Keep Stores Open in Russia” (英語). MarketWatch. 2022年3月13日閲覧。
- ^ “Wholesaler Metro Still Doing Business In Russia, Ukraine” (英語). ESM Magazine. 2022年3月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年3月13日閲覧。
- ^ “Metro : Statement on war in Ukraine | MarketScreener” (英語). Marketscreener (2022年3月12日). 2022年3月13日閲覧。
- ^ “Burger King, Subway, Metro – which companies want to stay in Russia - Global Happenings” (英語). Global Happenings. 2022年3月13日閲覧。
- ^ “Kuleba calls to boycott major companies refusing to leave Russian market” (英語). Ukrinform (2022年3月14日). 2022年3月21日閲覧。
- ^ “Metro to Keep Stores Open in Russia” (ウクライナ語). Українська Правда. 2022年3月18日閲覧。
- ^ “НАЗК внесло компанію Metro Cash & Carry до переліку міжнародних спонсорів війни” (ウクライナ語). 2023年3月1日閲覧。
- ^ “ТОВ "Метро Кеш енд Керрі" | Війна і санкції” (ウクライナ語). sanctions.nazk.gov.ua. 2023年3月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年3月1日閲覧。
外部リンク
- 公式ウェブサイト
- Metro Cash & Carry - Metro Cash & Carryポータルサイト
- メトロキャッシュアンドキャリージャパン(日本法人) - ウェイバックマシン(2021年9月24日アーカイブ分)
- カウフホーフのページへのリンク