オーバーアロットメントが行われる理由
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/07/30 08:25 UTC 版)
「オーバーアロットメント」の記事における「オーバーアロットメントが行われる理由」の解説
オーバーアロットメントを行うことは、投資家の需要に応えられることとは別に、証券会社並びに発行体にもメリットがあることが、オーバーアロットメント制度が行われている理由である。主幹事証券会社はオーバーアロットメントの実施により、これを実施ない場合よりも引受株数が増加する分だけ引受手数料を多く獲得できる。言い換えれば、買取引受けにおいて主幹事証券会社が割り当てられた株数より多くの株数を販売する能力を持つ状態である超過応募状態に近づけるようにすることで、主幹事証券会社はオーバーアロットメントの実施ができるようになり、そのため、主幹事証券会社は機関投資家向けのロードショーや、個人投資家等向けのブックビルディングで需要が多くなるように営業努力をする。その結果、実際に超過応募状態になればオーバーアロットメントの実施がなされ、主幹事証券会社は付加的に利益を得るということである。これは、発行会社にとっては、本来はもっと高い株価で売れたものを公開価格で売却するということから機会損失であるように見えるが、実際には付加的に資金を調達できるという点で発行会社にとってもメリットになっている。また、超過応募案件は市場ではプレミアムを付け高値で取引されるのが典型的であるので、株価形成の観点でもメリットがあり、次回以降の募集又は売出しをスムーズに進められるというメリットもある。
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