オヴォシュ・モーレシュ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/01/21 23:42 UTC 版)

オヴォシュ・モーレシュ(ポルトガル語: ovos moles)はポルトガル・アヴェイロの名物菓子。オヴォシュ・モーレシュ・デ・アベイロ(ovos moles de Aveiro)とも呼ばれる[1]。
概要
魚、樽(ワイン樽)、貝殻、船などをモチーフにした皮にドース・デ・オヴォシュ(doce de ovos)と呼ばれる卵黄クリームを詰めた菓子である[1][2][3]。日本で説明される場合には「白い最中」と説明されることがある[1][2]。2週間ほどは日持ちするため、土産菓子としても適している[3]。
ドース・デ・オヴォシュは、シロップを混ぜた卵黄を攪拌しながら煮詰めて作る[2]。
アヴェイロではカフェなどでもオヴォシュ・モーレシュを1個から販売しており、土産用に木樽に入れたドース・デ・オヴォシュを販売している店もある[2]。
15世紀のポルトガルでは、修道女が卵白を洗濯糊として使用していた[1][2][3]。その際に余った卵黄を用いて作った菓子とされる[1][2][3]。なお、「皮」はキリスト教でいうところの聖餅(キリストの体を現す)を意味する[3]
最中との関連性
上述のようにオヴォシュ・モーレシュを日本で説明する際には、日本の菓子である最中と類似性能が指摘されている。
最中が一般に普及するのは江戸時代中期(1804年から1818年)であるが、1719年刊行の『長崎夜話草』に「オブタウス(ヲブダウス)」と「オベリアス(ヲベリヤス)」という語がカステラボウルやコンペイトとならんで記述してあり、それぞれ「ドース・デ・オヴォシュ」、「オーヴォシュ・モーレシュ・デ・アヴェイロ」のことであるとして、オヴォシュ・モーレシュが最中の誕生に影響を与えたと推測する向きもある[3]。
出典
- ^ a b c d e コヤナギユウ (2022年1月19日). “14:アベイロといえばこのお菓子「オヴォシュ・モーレシュ・デ・アベイロ」。”. 2025年1月19日閲覧。
- ^ a b c d e f 「アヴェイロのお菓子、オヴォシュ・モーレシュ」『A23 地球の歩き方ポルトガル 2024~2025』地球の歩き方、2023年、220頁。ISBN 978-4059216926。
- ^ a b c d e f 豊中市立図書館 (2020年8月26日). “「Ovos moles de Aveiro(オーヴォシュ・モーレシュ・デ・アヴェイロ)」というポルトガルのお菓子の形状が日本の最中に似ている。二つのお菓子には何か関係があるのか。”. レファレンス共同データベース. 2025年1月19日閲覧。
外部リンク
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