エンリケ・バティス
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/08/05 07:44 UTC 版)
エンリケ・バティス | |
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エンリケ・バティス
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基本情報 | |
原語名 | Enrique Bátiz Campbell |
生誕 | 1942年5月4日 |
出身地 | ![]() |
死没 | 2025年3月30日(82歳没) |
ジャンル | クラシック音楽 |
職業 | 指揮者 |
エンリケ・バティス・キャンベル(Enrique Bátiz Campbell, 1942年5月4日 - 2025年3月30日)は、メキシコの指揮者。
人物・来歴
メキシコシティ出身。音楽的神童の名声をほしいままにし、5歳でピアニストとして公開演奏を行なった。
ニューヨークのジュリアード音楽院や、ワルシャワ音楽院などで音楽を学び、ワルシャワ音楽院ではピアニスト、教育者として有名なズビグニェフ・ジェヴィエツキからピアノの教育を受ける。メキシコ州立交響楽団を1971年に設立、1971年から1983年、1990年から2018年の間まで主任指揮者を務める。
ヨーロッパでは、いったんメキシコ州立交響楽団の主任指揮者のポストから外れた1984年以来、ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団など、主にイギリスのオーケストラと共演を続け、世界各地のオーケストラへの客演数は400を超え、162枚のアルバムを録音したという。[1][2]なおこの当時エンリケ・バティスが客演したオーケストラはロイヤル・フィルハーモニーやロンドン・フィルハーモニー[3]、ロンドン交響楽団[4]などのイギリスの楽団にとどまらず、メキシコ国内のメキシコ・シティ・フィルハーモニー(英語版)や、[5]ブルガリアのソフィア・フィルハーモニー(英語版)[6]など幅広く客演していた。
2017年から2018年にかけてパーキンソン病を要因としてメキシコ州立交響楽団を辞任、最晩年はイダルゴ州自治大学交響楽団の指揮者として2022年より活動していた。[1]
日本では、「爆演系」指揮者として評価されがちである。しかし、様式的な直感力に鋭く、リズム感や色彩感に恵まれ、とりわけ共演相手がヨーロッパのオーケストラの場合、むしろデリカシーに満ちた雄渾多感な表現力を発揮する。とりわけヨーロッパのロマン派音楽を得意としており、ビゼーの管弦楽曲集やチャイコフスキーの《悲愴交響曲》、ショスタコーヴィチの《交響曲第5番》などが知られている。
日本では一部のマニアからカルト的人気を得たが、2022年10月をもって東武トレーディングが輸入販売から撤退、一部のワーナーやAlto(Musical Conceptsのライセンス再発シリーズ)などの再発版を除きほぼ廃盤となった。
2025年3月30日に死去。82歳没[7]。最期のコンサートはイダルゴ州自治大学交響楽団との3月21日の演奏で、シューベルトの交響曲第8番(7番)「未完成」、リヒャルト・シュトラウスの交響詩「ドン・ファン」、ファリャの「三角帽子」が演奏された。[8]
脚注
- ^ a b Hidalgo, Universidad Autónoma del Estado de. “Gaceta :: Enrique Bátiz Campbell: el legado de un prodigio” (スペイン語). Gaceta. 2025年8月5日閲覧。
- ^ Hidalgo, Universidad Autónoma del Estado de. “Orquesta Sinfónica de la Universidad Autónoma del Estado de Hidalgo :: OSUAEH” (スペイン語). Universidad Autónoma del Estado de Hidalgo. 2024年12月19日閲覧。
- ^ (英語) Dvořák, London Philharmonic Orchestra, Enrique Batiz - Symphony No. 9 "From The New World", (1981) 2025年8月5日閲覧。
- ^ (英語) Rodrigo, Alfonso Moreno, Enrique Bátiz, London Symphony Orchestra - Concierto De Aranjuez / A La Busca Del Más Allá / Zarabanda Lejana Y Villancico, (1982) 2025年8月5日閲覧。
- ^ (英語) Rachmaninov - Jorge Luis Prats, Mexico City Philharmonic Orchestra, Enrique Batiz - Piano Concerto No. 3 / Vocalise / Prince Rostislav, (1989) 2025年8月5日閲覧。
- ^ Elena Dikova (2015-06-11), Brahms Piano Concerto No. 1 d moll - Anton Dikov - mov. 1 Maestoso 2025年8月5日閲覧。
- ^ “Adiós a una figura central de la música clásica mexicana; fallece el director de orquesta Enrique Bátiz” (スペイン語). El Universal (2025年3月30日). 2025年3月31日閲覧。
- ^ Orquesta Sinfónica UAEH A.C. (2025-03-10), Cartelera de conciertos primavera - verano 2025 2025年8月5日閲覧。
固有名詞の分類
メキシコの指揮者 |
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