エリテリウムとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > エリテリウムの意味・解説 

エリテリウム

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/05 02:12 UTC 版)

エリテリウム
エリテリウムの上顎骨
リヨンにて、コンフルエンス博物館
地質時代
古第三紀 暁新世
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 哺乳綱 Mammalia
亜綱 : 獣亜綱 Theria
下綱 : 真獣下綱 Eutheria
上目 : アフリカ獣上目 Afrotheria
階級なし : 近蹄類 Paenungulata
: 長鼻目 Proboscidea
階級なし : † 近ゾウ型類 Plesielephantiformes
: エリテリウム Eritherium
学名
Eritherium
Gheerbrant, 2009

E. azzouzorum Gheerbrant, 2009

エリテリウム学名Eritherium ) は、ゾウ目(長鼻目)の絶滅した。学名は、「早い」(eri) の「獣」(therium) を意味する[1]。ゾウ目最古の属で小型犬程度の大きさである。ゾウ目の起源を探る上で重要な存在であるが、標本も少ないため詳細は分かっていない。

生息時代・生息域

エリテリウムは暁新世に北アフリカのモロッコで生息してしていた[2]

発見

エリテリウムの化石は、モロッコにあるウルド・アブドゥン盆地のシディ・シェナン採石場で発見された。発掘された地層は、暁新世サネティアン期のリン酸塩の堆積層である。モロッコのリン酸塩層ではセランディアン階とサネティアン階の区別がなくダニアン階のすぐ上に位置する。そのため地質年代としては、6,160 万年前から 5,600 万年前の範囲に相当するが、発見されたボーンベッドはダニアン階のすぐ上のため、暁新世中期の地層とされる[2]

ホロタイプであるエリテリウム アゾウゾラム ( E. azzouzorum )の標本は、フランス リヨンのコンフルエンス博物館に保存されている(標本番号 MNHN PM69)[3]鼻腔頬骨弓、頬歯列を備えている上顎骨に 2 本の小臼歯(P3-4)および 3 本の大臼歯(M1-3)が含まれている。 それ以外にも、頭蓋骨(前頭骨と鼻骨)、上顎と下顎の破片と歯を含む 15 個の化石が見つかってる[2]

生態

エリテリウムの発見時の地層は、肉食性のヒアエノドン科や、多様な板鰓類(サメやエイ) の化石が含まれていた[2]。また同じ盆地の別の採石場(グランド・ダオウイ)では、海洋リン酸塩堆積物からフォスファテリウム(1996年)やダオウイテリウム(2002年)の化石も見つかっている[4]。河川等の影響で水生生物と陸生生物の化石が混ざることはあり得るが、上記の事実からエリテリウムも半水棲だった可能性が指摘されている[1]

形態

ゾウ目にしては非常に小さい。最小のゾウ目とも言われこともあるが、更に原始的でエリテリウムの半分ほどの大きさのハムサコヌスが見つかっており最小とは限らない[2]。頭部の化石から、肩高は約20センチメートル、重さは約5〜6キログラムで、ダックスフント程度の大きさと推定されている[5]

エリテリウムの歯式は



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  
  •  エリテリウムのページへのリンク

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「エリテリウム」の関連用語

エリテリウムのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



エリテリウムのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのエリテリウム (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS