エテノンとは? わかりやすく解説

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ケテン

分子式C2H2O
その他の名称エテノン、KeteneEthenone、カルボメテン、Carbomethene、Ethen-1-one
体系名:エテン-1-オン、ケテン


エテノン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2013/02/21 15:46 UTC 版)

エテノン
識別情報
CAS登録番号 463-51-4 
ChemSpider 9643 
ChEBI CHEBI:48003 
特性
化学式 C2H2O
モル質量 42.04 g/mol
外観 無色気体
融点

-150.5 °C (-239 °F)

沸点

-56.1 °C (-69 °F)

危険性
MSDS External MSDS
特記なき場合、データは常温(25 °C)・常圧(100 kPa)におけるものである。

エテノン(Ethenone)は、C2H2OまたはH2C=C=Oの化学式を持つ有機化合物である。単にケテン(Ketene)とも呼ばれる。最も単純なケテンで、エチノール互変異性体である。

目次

性質

エテノンは、標準状態では無色の気体で、強い刺激臭を持つ。分子量は42.04、融点は-150.5℃、沸点は-56.1℃である。アセトンエタノールエチルエーテル芳香族炭化水素有機ハロゲン化合物に可溶である。

生成

エテノンは、実験室では、アセトン蒸気の熱分解によって生成できる[1]

反応

エテノンは非常に反応性が高く、求核剤として反応してアセチル基を作りやすい。例えば、酢酸と反応して氷酢酸を形成する。

エテノンは、自分自身とも反応し、[2+2]環化付加反応を起こし、ジケテンと呼ばれる環状二量体を形成する。このため、長期間保存することはできない。

毒性

高濃度のエテノンに晒されると、目、鼻、喉、肺等が刺激される。マウス、ラット、テンジクネズミ、ウサギ等を用いた実験で、0.2mg/l(116ppm)の濃度の新しいエテノンに10分間晒されると、小動物は高い確率で死亡することが示された。この発見により、エテノンはホスゲン(0.2-20mg/l)やシアン化水素(0.2-0.5mg/l)と同程度の毒性を持つとされた。小動物の死は肺水腫が原因であり、全体的にはホスゲン中毒と似ているが、進行がより速い[2]

出典

  1. ^ C. D. Hurd (1941), “Ketene”, Org. Synth., http://www.orgsyn.org/orgsyn/orgsyn/prepContent.asp?prep=cv1p0330  Coll. Vol. 1: 330 ..
  2. ^ H. A. Wooster, C. C. Lushbaugh, C. E. Redeman (1946). “The Inhalation Toxicity of Ketene and of Ketene Dimer”. J. Am. Chem. Soc. 68 (12): 2743. doi:10.1021/ja01216a526. 


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