エチレンの酸化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/14 15:30 UTC 版)
アセトアルデヒドはワッカー法によりエチレンから作ることができ、これを上記の方法で酸化する。より安価な1段階のエチレンからの酢酸の製造法が昭和電工によって工業化され、1997年に大分県でエチレン酸化プラントが開業された。その方法ではタングストケイ酸などのヘテロポリ酸上に担持されたパラジウム触媒を用いる。エチレンの価格によっては、小さめのプラント(100–150キロトン/年)でメタノールのカルボニル化と競合する。しかしながら2009年に昭和電工は大分での酢酸製造設備を停止し、メタノール法の酢酸をマレーシア、中国などから輸入するようになった。これはナフサ価格上昇にともない、エチレン価格も高騰したため、メタノール法酢酸製造プラントに対抗できなくなったためである。これにより現在日本で酢酸を製造するプラントは協同酢酸の1社のみとなった。
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