ウースター郡 (マサチューセッツ州)
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| マサチューセッツ州ウースター郡 | ||
|---|---|---|
      
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    ||
       郡のマサチューセッツ州内の位置
         | 
    ||
       州のアメリカ合衆国内の位置
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| 設立 | 1731年4月2日 | |
| 郡庁所在地 | 無し、1998年以降郡政府が無くなった。 過去の郡庁所在地 ウースター  | 
    |
| 最大の都市 | ウースター | |
| 面積 - 総面積 - 陸 - 水  |  
     4,090 km2 (1,579.02 mi2) 3,919 km2 (1,513.06 mi2) 171 km2 (65.95 mi2), 4.18%  | 
    |
| 人口 - (2020年) - 密度  |  
     862,111人  | 
    |
| 標準時 | 東部: UTC-5/-4 | |
   ウースター郡(英: Worcester County)は、アメリカ合衆国マサチューセッツ州の中央部に位置する郡である。人口は86万2111人(2020年)[1]。ウースター郡の郡政府と郡庁所在地は1998年に廃止された。それまでの郡庁所在地はウースター市で、同郡で人口最大の都市である。
ウースター郡はウースター都市圏とほぼ一致している。この都市圏はボストン都市圏の一部だと考えられることもある。
歴史
ウースター郡は植民地時代のハンプシャー郡東部、ミドルセックス郡西部およびサフォーク郡最西部を合わせて設立された。1731年4月2日に郡政府が作られたとき、ウースターの町がシャイアタウン(郡庁所在地)に選定された。この日から郡政府が解体されるまで、常に郡庁所在地であり続けた。州内では郡の面積が最大なので、設立から140年以上の間に15回、郡を2つに分ける試みが行われたが、どれも成功しなかった。郡北部ではランカスターが郡庁所在地として提案され、その後ピーターズハムが1度提案され、フィッチバーグは何度も提案された。最近の提案は1903年だった。1884年8月、おそらくは譲歩のために土地所有権登記所が2つに分けられ、ウースターと北のフィッチバーグに置かれた。
郡政府と政治
1998年7月1日、州法の変更により、地方の選択に従って郡政府の機能が州の機関に肩代わりされ、ウースター郡は郡政府と郡政委員会を持たなくなった[2]。以前の仕組みの名残である選挙で選ばれる郡保安官、郡検察官、裁判所役人は、州の公衆安全部、ウェストボイルストンにあるウースター郡監獄と呼ばれる州の矯正システム、ウースター、フィッチバーグなど州が管理するウースター郡地区裁判所の管理下に入った[2]。地区検事の事務所は事実上郡全体を管轄する位置づけにあるが、隣接郡の町を1つだけ含んでいる。マサチューセッツ州では、保安官の役割が他州よりも限られており、矯正所、裁判所の任務と廷吏、監獄からの釈放の計画を責任範囲としている[2]。マサチューセッツ州の保安官は6年任期で選出されている[2]。
州法では地域の協定、伝統的な郡、およびその他の政体を認めている[2]。伝統的な郡政府の形態は州南東部で続いている。すなわち、ノーフォーク郡、ブリストル郡、デュークス郡、ナンタケット郡、プリマス郡の5郡である。ケープ・コッドのあるバーンスタブル郡は近代的地域政府として機能している。マサチューセッツ州法では、この郡政府、政府廃止の選択、地域政府協定の認証の間の関係を規定している。州法によって4つの新しい郡協定が設定された。ハンプシャー郡、フランクリン郡、バーンスタブル郡であり、バークシャー郡にも地域企画委員会レベルのものができた。14郡のうちの9郡に何らかの形の郡地域政府があることになる。ウースター郡の場合も、公衆安全のため、あるいは面積が大きいことによる準備のために、議会の要請と特別法および地元住民投票あるいは、これら3つの仕組みのどれかで、この選択肢を実行できる。
政治
| 年 | 民主党 | 共和党 | 
|---|---|---|
| 2012年 | 53.7% 195,667 | 44.5% 162,022 | 
| 2008年 | 55.6% 202,107 | 41.8% 152,101 | 
| 2004年 | 56.4% 192,142 | 42.3% 144,094 | 
| 2000年 | 56.0% 173,769 | 36.8% 114,139 | 
| 登録有権者数、2008年10月15日[4] | |||||
|---|---|---|---|---|---|
| 政党 | 登録有権者数 | 構成比 | |||
| 民主党 | 156,454 | 30.65% | |||
| 共和党 | 66,466 | 13.02% | |||
| 無党派 | 283,517 | 55.54% | |||
| 少数党 | 4,015 | 0.79% | |||
| 合計 | 510,452 | 100% | |||
地理
アメリカ合衆国国勢調査局に拠れば、郡域全面積は1,579.02平方マイル (4,089.6 km2)であり、このうち陸地1,513.06平方マイル (3,918.8 km2)、水域は65.95平方マイル (170.8 km2)で水域率は4.18%である[5]。面積では州内最大の郡である。ロードアイランド州の水域を含む総面積よりも大きい。州の中央にあり、州西部と、州東部およびボストン大都市圏を分けている。州の北側州境と南側州境の両方に接している。マサチューセッツ州の地理重心が郡内のラトランドにある。
ウースター郡はは3つの州(ニューハンプシャー州、ロードアイランド州、コネチカット州)と境を接しており、このような郡は他にバークシャー郡があるだけである。
隣接する郡
- チェシャー郡 (ニューハンプシャー州) - 北
 - ヒルズボロ郡 (ニューハンプシャー州) - 北北東
 - ミドルセックス郡 - 東北東
 - ノーフォーク郡 - 東南東
 - プロヴィデンス郡 (ロードアイランド州) - 南南東
 - ウィンダム郡 (コネチカット州) - 南
 - トランド郡 (コネチカット州) - 南南西
 - ハンプデン郡 - 西南西
 - ハンプシャー郡 - 西
 - フランクリン郡 - 西北西
 
| フランクリン郡 | チェシャー郡 (ニューハンプシャー州) | ヒルズボロ郡 (ニューハンプシャー州) | ||
| ハンプシャー郡 | ミドルセックス郡 | |||
| ハンプデン郡 | ウィンダム郡 (コネチカット州)、トランド郡 (コネチカット州) | ノーフォーク郡 プロヴィデンス郡 (ロードアイランド州)  | 
    
国立保護地域
- オックスボウ国立野生生物保護区(部分)
 
人口動態
| 人口推移 | |||
|---|---|---|---|
| 年 | 人口 | %± | |
| 1790 | 56,764 | 
       
       —
        | 
    |
| 1800 | 61,192 | 7.8% | |
| 1810 | 64,910 | 6.1% | |
| 1820 | 73,625 | 13.4% | |
| 1830 | 84,355 | 14.6% | |
| 1840 | 95,313 | 13.0% | |
| 1850 | 130,789 | 37.2% | |
| 1860 | 159,659 | 22.1% | |
| 1870 | 192,716 | 20.7% | |
| 1880 | 226,897 | 17.7% | |
| 1890 | 280,787 | 23.8% | |
| 1900 | 346,958 | 23.6% | |
| 1910 | 399,657 | 15.2% | |
| 1920 | 455,135 | 13.9% | |
| 1930 | 491,242 | 7.9% | |
| 1940 | 504,470 | 2.7% | |
| 1950 | 546,401 | 8.3% | |
| 1960 | 583,228 | 6.7% | |
| 1970 | 637,969 | 9.4% | |
| 1980 | 646,352 | 1.3% | |
| 1990 | 709,705 | 9.8% | |
| 2000 | 750,963 | 5.8% | |
| 2010 | 798,552 | 6.3% | |
| 2020 | 862,111 | 8.0% | |
| U.S. Decennial Census[6] | |||
以下は2000年国勢調査による人口統計データである。
|   基礎データ 
 人種別人口構成(2008年時点) 
 先祖による構成 言語による構成  |  
       年齢別人口構成 
 世帯と家族(対世帯数) 
 収入と家計  | 
    
都市と町
村は行政上町に含まれる。
 
      
  |  
      
      
  | 
    
著名な出身者
- ルイーザ・メイ・オルコット、小説家、エイモス・オルコットの娘、『若草物語』で著名
 - ジョニー・アップルシード、西部開拓史の人物、本名ジョン・チャップマン
 - マイケル・ビーズリー、NBAバスケットボール選手、高校でオールアメリカン、ノートルダム予備学校に通った
 - ルーサー・バーバンク 、植物学者・園芸家・育種家、マクドナルドがフレンチフライに使った褐色ジャガイモを開発した
 - ロン・ダーリング、メジャーリーグベースボール選手、ホノルル生まれ、地元のミルベリー町からセントジョンズ高校卒
 - ライアン・ゴメス、NBAバスケットボール選手、ノートルダム予備学校に通った
 - ロバート・ゴダード、アメリカ・ロケットの父
 - ギャビー・ハートネット、メジャーリーグベースボール選手、捕手
 - アビー・ホフマン、政治活動家
 - エリアス・ハウ、発明家、ミシンを開発
 - コニー・マック、メジャーリーグベースボール選手、監督
 - アグネス・ムーアヘッド、女優、TVドラマ『奥さまは魔女』のサマンサの母エンドラ役で有名
 - ウィリアム・T・G・モートン、歯科医師、歯学者。エーテル麻酔の発明者。
 - ジョー・ペリー、ロックバンド「エアロスミス」のギタリスト、ホープデール出身、メンドンで初めて演奏した
 - ハイラム・ウォーカー、ウィスキー蒸留所の設立者
 - イーライ・ホイットニー、コットンジンの発明者
 - ファニー・ブロック・ワークマン、女性登山家の草分け
 
脚注
- ^ “Quickfacts.census.gov”. 2023年8月30日閲覧。
 - ^ a b c d e Mass General lsws 34B
 - ^ “Dave Leip's Atlas of U.S. Presidential Elections”. 2012年11月29日閲覧。
 - ^ “Registration and Party Enrollment Statistics as of October 15, 2008” (PDF). Massachusetts Elections Division. 2010年5月8日閲覧。
 - ^ “Census 2010 U.S. Gazetteer Files: Counties”. United States Census. 2013年4月13日閲覧。
 - ^ “U.S. Decennial Census”. Census.gov. 2013年8月26日閲覧。
 
参考文献
- The Worcester County Directory, Boston, Mass.: Briggs & Co., (1878)
 
外部リンク
- Worcester County Sheriff
 - Worcester District Registry of Deeds
 - League of Women Voters page on counties
 - Map of cities and towns of Massachusetts
 - Video guide to Worcester County (Worcester Love)
 - the Hampshire Council of Governments, with elected councilors from 15 towns, provides many regional services and is an example of modern regional government in Massachusetts
 
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