アヴェ・マリア_(グノー)とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > アヴェ・マリア_(グノー)の意味・解説 

アヴェ・マリア (グノー)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/10/02 15:42 UTC 版)

アヴェ・マリア
Ave Maria
ヨハン・ゼバスティアン・バッハ/シャルル・グノー歌曲
現地語表記 Ave Maria
調 ヘ長調
テキスト アヴェ・マリア
言語 ラテン語
主題 バッハの平均律クラヴィーア曲集第1巻 前奏曲 第1番
出版
  • 1853年 (1853) (器楽版)
  • 1859年 (1859) (ラテン語)
管弦楽法
  • 歌唱
  • ピアノ
(原曲)

グノーのアヴェ・マリアラテン語: Ave Maria)》は、1859年シャルル・グノーヨハン・ゼバスティアン・バッハの《平均律クラヴィーア曲集 第1巻》の「前奏曲 第1番 ハ長調 BWV 846」を伴奏に、ラテン語の聖句「アヴェ・マリア」を歌詞に用いて完成させた歌曲である。19世紀フランスの歌曲の中では、しばしば演奏されており、録音される機会も多い。また、チェロヴァイオリンピアノのための二重奏曲としても演奏されている。初演は作曲年の5月24日リリック座英語版で行われた。同年にここで『ファウスト』も初演されている。

ヴァイオリンやギター、弦楽四重奏、ピアノ、チェロ、トロンボーンなど数多くの編曲が存在する。ネリー・メルバ等の女性歌手以外にも、フランコ・コレッリルチアーノ・パヴァロッティなど男性歌手も20世紀中にこの曲を何回も録音している。

グノーはこの旋律を即興的に作曲した。彼の義父ピエール・ジメルマンがそれを書き写し、1853年ピアノヴァイオリン(あるいはチェロ)のために編曲した。同年、ラマルティーヌの詩『Le livre de la vie』とともに"Méditation sur le Premier Prélude de Piano de S. Bach"(バッハの前奏曲第1番による瞑想曲)として出版された[1]

その6年後の1859年、この旋律に「アヴェ・マリア」の歌詞が加えられ歌曲となった。

なお、グノーが使用したバッハの前奏曲1番の楽譜は、クリスティアン・フリードリヒ・ゴットリープ・シュヴェンケドイツ語版が22小節目の後に1小節独自の和音アルペッジョを挿入したものである。

キャリアの後半に、グノーは混声合唱のために、当曲とは別の『アヴェ・マリア』を作曲している。

旋律・歌詞

Ave Maria von Bach/Gounod, Vokalstimme und Begleitung

使用

  • 海外では結婚式や葬式の定番曲とされている。
  • 最後のカストラート歌手の1人のアレッサンドロ・モレスキは、1900年代初頭にグラモフォン社英語版のもと、グノーの『アヴェ・マリア』を含むいくつかの曲を録音した。
  • 歌手のノア英語版は、1994年にバチカンでヨハネ・パウロ2世のために自作の歌詞を振り付けた『アヴェ・マリア』をうたった。
  • 2003年、エレクトロ・ポップ・バンドのイレイジャーがこの曲をカバーし、ソルズベリー・ヒルのシングルのB面としてリリースされた。
  • ヨーヨー・マボビー・マクファーリンによる『アヴェ・マリア』を編曲したアルバム『ハッシュ』の演奏は、2017年にパルムドールを受賞したスウェーデンの映画『ザ・スクエア』のメインテーマとして使用された。
  • この作品は、ディズニーの『クリスマス・キャロル』(2009年)でも使われている。

日本における受容

日本における演奏(録音)のもっとも早い例として、1935年にわずか15歳の諏訪根自子によるヴァイオリンの演奏がコロムビアレコードにSPレコードで残されている。日本語の歌唱によるレコードも度々発売されてきた。

出典

  1. ^ Méditation sur le 1er prélude de piano de S. Bach. CG 89a”. Bibliothèque nationale de France Catalogue Général. Bibliothèque nationale de France. 28 October 2022閲覧。

外部リンク


「アヴェ・マリア (グノー)」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「アヴェ・マリア_(グノー)」の関連用語

アヴェ・マリア_(グノー)のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



アヴェ・マリア_(グノー)のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのアヴェ・マリア (グノー) (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS