アントルシャ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2016/12/28 20:03 UTC 版)
アントルシャ(仏:entrechat)は、バレエにおける技法の1つ。両足で踏み切って垂直に跳躍し、滞空中に両足を交差させる(打つ)動きで、両足(5番ポジション)あるいは片足(シュル・ル・ク・ド・ピエ)で着地する[注釈 1][1][2]。足を交差させる回数によって、アントルシャ・カトル(entrechat quatre、4回)、アントルシャ・シス(entrechat six、6回)などの種類がある[1]。バレエにおいては、男女の別なく頻繁に用いられる技法である[3][4]。
注釈
- ^ a b sur le cou de pied、直訳すると「足首の上に」という意味で、片足がもう一方の足首に触れている状態のこと。日本では「スュル・ル・ク・ド・ピエ」あるいは単に「ク・ド・ピエ」などともいう。
- ^ cabriol、capriolaと同様にラテン語の「caper(雄のヤギ)」から派生した言葉で、真っ直ぐに伸ばした両脚を空中で打ち合わせる動き。通常は男性ダンサーが行う跳躍で、『ジゼル』第2幕のアルブレヒトのヴァリアシオンなどで見られる。
- ^ brisé、動詞briserの過去分詞から派生した言葉で、「割る、打ち砕く」などを意味する。片足で踏み切って跳び、空中で足を打ち合わせた後に第5ポジションで着地する動き。女性では『ゼンツァーノの花祭り』のヴァリアシオン、男性では『グラン・パ・クラシック』や『眠れる森の美女』第3幕の『青い鳥のパ・ド・ドゥ』コーダなどで見られる。
- ^ battu、batterieはともに「打つ」という意味を持つ。
- ^ 跳躍して空中で足の前後を入れ替える動きを「シャンジュマン・ド・ピエ」(changement de pied、両足の入れ替えを意味する)、または単に「シャンジュマン」(changement)と呼称する。
出典
- ^ a b c d e f g h i j 川路(1980)、pp. 97-100.
- ^ a b c d 『バレエ用語集』pp. 74f.
- ^ a b c d e f g h 『鑑賞者のためのバレエ・ガイド』p.42.
- ^ a b c d e f 『新版 バレエって、何?』p.107.
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p 赤尾、pp. 96-103
- ^ a b 『オックスフォード バレエダンス事典』p.45.
- ^ a b 『オックスフォード バレエダンス事典』p.125.
- ^ 川路(1980)、p.93.
- ^ ダンス・ライブラリー 用語講座 バッチュ Chacott webマガジン DANCE CUBE 2013年8月13日閲覧。
- ^ a b 川路(1994)、pp. 60-62.
- 1 アントルシャとは
- 2 アントルシャの概要
- 3 参考文献
アントルシャ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/19 06:34 UTC 版)
Entrechat(フランス語発音: [ɑ̃tʁəʃa]、イタリア語 intrecciataから、「絡み合った」の意)。ジャンプ中に空中で脚を前後で交差させて打ち合わせるステップ。アントルシャ・カトル(entrechat quatre)では、右足を前にした5番ポジションから足を交差させた状態で跳び、シャンジュマンして左太ももの後ろで右太ももを叩き、さらにシャンジュマンして前に移した右太ももの後ろで左太ももの前を叩き、開始時と同じポジションに両脚で着地する。アントルシャ・シス(entrechat six、sixは6の意)は空中で3回足を切り替え、降りる脚のポジションも入れ替わる。偶数のアントルシャは脚が空中で交差する回数を示し、単純なシャンジュマンでは2回(外1回、内1回)、アントルシャ・カトルは外2回+内2回の4回、シスは外3回+内3回の6回、ユイット(huit、8の意)は外4回+内4回の8回である。奇数のアントルシャは、脚が交差する回数は1つ前の数のアントルシャと同じながら片脚で着地するもので、アントルシャ・サンク(entrechat cinq、cinqは5の意)はアントルシャ・カトルと空中の姿勢は同じで片脚で降りる。
※この「アントルシャ」の解説は、「バレエ用語の一覧」の解説の一部です。
「アントルシャ」を含む「バレエ用語の一覧」の記事については、「バレエ用語の一覧」の概要を参照ください。
「アントルシャ」の例文・使い方・用例・文例
- アントルシャのページへのリンク