アルキメデスの無限小とは? わかりやすく解説

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方法 (アルキメデスの著書)

(アルキメデスの無限小 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/12/30 01:02 UTC 版)

方法』(ギリシア語: Περὶ μηχανικῶν θεωρημάτων πρὸς Ἐρατοσθένη ἔφοδος, 英語: The Method of Mechanical Theorems)は、古代ギリシア博学者アルキメデスにより書かれた現存する主要な著作の1つと考えられている。この著作は、アルキメデスがアレクサンドリア図書館の館長であるエラトステネスに宛てた手紙の形をとっており[1]、最初に記録された不可分(ときどきこれは無限小と呼ばれる)の明白な使用を含んでいる[1][2]。この著作は元々は失われたと考えられていたが、1906年に有名な『アルキメデス・パリンプセスト』において再発見された。アルキメデスが初めて実証したてこの原理と、多くの特殊な形状において発見した質量中心(もしくは幾何中心)に依拠していることから、いわゆる「機械的方法」("mechanical method")が含まれている。

アルキメデスは厳密な数学の一部として不可分の方法を認めていなかったため、その結果を含む正式な論文ではこの方法を発表しなかった。これらの論文の中では、同じ定理を取り尽くし法により証明し、求める答えに収束する厳密な上界と下界を見つけている。それにもかかわらず、この機械的方法は彼がのちに厳密な証明を与える関係を発見するために使われたものであった。

放物線の面積

今日、アルキメデスの方法を説明するには、もちろん当時は使うことができなかったがデカルト幾何学を少し使うと便利である。アルキメデスの考えはてこの原理を用いて他の図形の既に知っている質量中心から図形の面積を求めるというものである。最も単純な例は放物線の面積である。アルキメデスはもっとエレガントな方法を使っているが、デカルトの方法では次の積分を計算する。

線分ACが放物線の対称軸に平行であるとする。さらに線分BCがBで放物線に接する線上にあるとすると、最初の命題は次のようになる。

三角形ABCの面積は、放物線と割線ABで囲まれる領域の面積のちょうど3倍である。
証明:

DをACの中点とする。JからDまでの距離がBからDまでの距離と等しくなるように、Dを通る線分JBを作る。ここでは線分JBをDを支点とする「てこ」と考える。アルキメデスがそれより前に示したように、三角形の質量中心はDI :DB = 1:3である「てこ」上の点Iにある。それゆえ、三角形の内側の全重量がIに、放物線の全重量がJにある場合、てこが均衡状態にあることを示せば十分である。

点HがBC上にあり、点EがAB上にあり、放物線の対称軸に平行である線分HEにより与えられる三角形の無限に小さい断面を考える。HEと放物線の交点をF、HEとてこの交点をGとする。三角形の全重量がIにかかれば、HEにかかっているのと同じトルクがてこJBにかかる。したがって、断面HEの重量がGに、放物線の断面EFの重量がJにある場合、てこが均衡状態にあることを示したい。言い換えればEF :GD = EH :JDであることを示せば十分である。しかし、これは放物線の方程式から機械的操作で求まることである。 Q.E.D.

球の体積

ここでも機械的な方法を説明するために、少しばかり座標幾何を使うと便利である。半径1の球の中心をx = 1とすると、0から2の間の任意のxにおける垂直の断面の半径は次の式で与えられる。

関連分野
定式化個々の概念
数学者教科書



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