アプリケーション層プロトコルへの適用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/09 06:55 UTC 版)
「Transport Layer Security」の記事における「アプリケーション層プロトコルへの適用」の解説
TLSは特定のアプリケーション層プロトコルに依存しないため、HTTP以外にも多くのプロトコルにおいて採用され、クレジットカード情報や個人情報、その他の機密情報を通信する際の手段として活用されている。 既存のアプリケーション層プロトコルでTLSを利用する場合、大きく2つの適用方式が考えられる。まずひとつは、下位層(通常はTCP)の接続を確立したらすぐにTLSのネゴシエーションを開始し、TLS接続が確立してからアプリケーション層プロトコルの通信を開始する方式である。もうひとつは、まず既存のアプリケーション層プロトコルで通信を開始し、その中でTLSへの切り替えを指示する方式である。切り替えコマンドとしてSTARTTLSが広まっているため、この方式自体をSTARTTLSと呼ぶこともある。 前者はアプリケーション層のプロトコルをまったく変更しなくてすむことが利点である。その反面、平文で接続を開始する実装と共存できなくなるため、既存のポート番号とは別にTLS対応用のポート番号が必要となる。実態としては、SSL/TLSの最初の適用例であるHTTPSをはじめとして、前者の方式を使うことが多い。ただし、この方式はバーチャルホストを構成する際に問題となる可能性がある。詳細は#バーチャルホストの節を参照。 なお、ポート番号を分ける方式をSSL、同一ポート番号で切替える方式(STARTTLS方式)をTLSと呼んでいる実装もある。TLS/SSLという用語の区別がプロトコルのバージョンを指しているか、アプリケーション層プロトコルへの適用方式を指しているかは、文脈で判断する必要がある。
※この「アプリケーション層プロトコルへの適用」の解説は、「Transport Layer Security」の解説の一部です。
「アプリケーション層プロトコルへの適用」を含む「Transport Layer Security」の記事については、「Transport Layer Security」の概要を参照ください。
- アプリケーション層プロトコルへの適用のページへのリンク