アプシュルトスの殺害
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/28 09:25 UTC 版)
アポロドーロスによると、イアーソーンとメーデイアが金羊の毛皮(金羊毛)を獲ってアルゴー船を出航させたとき、アイエーテースの船団に追われ、メーデイアは、一緒に連れてきていた幼い弟アプシュルトスを殺し、亡骸を海にばらまき、追手がこれを拾い集めている間に脱出したとされている。 しかしこれには異説がある。ロドスのアポローニオスによると、アプシュルトスはアイエーテースとカウカーソスのニュムペーのアステロディアーの子で、このときすでに成人しており、船団を率いてアルゴナウタイを追跡した。そこでメーデイアは金羊毛を取り戻すつもりであると偽りの伝言を使者に伝え、アプシュルトスが騙されてやって来るように、魔法の薬を空に撒いた。そして首尾よくアプシュルトスを小島におびき出すことに成功すると、物陰に隠れたイアーソーンが彼を殺した。いずれにせよ、メーデイアは親族殺しの罪を浄めなければならないことを、アルゴー船に取り付けられたドードーナの聖なる樫の予言で知らされた。そこでアルゴナウタイはアイアイエー島を訪れ、アプシュルトス殺害の罪を魔女キルケーに浄めてもらった。
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