与吉の女房

隠語大辞典

与吉の女房

読み方：よきちがにょうぼう，よきちにょうぼう，よきちのにょうぼう

1. 与吉が女房。無毛女陰の隠語。昔江戸神田の与吉といへるものの女房陰部無毛を聞えしによる。（与吉は人形に毛を植える職人なり）。助六の狂言に白酒売のせりふ「いつたら大事か与吉が女房けながいけながいほほこれだ」とあり。黄表紙「大悲千録本」に与吉の詞書「私の女房（さい）などは額際が薄うございましたから植えてやりましたらむじやむじやと生へました」とあり。「さつぱりとしてよいのさと与吉いひ」「とんだいいものさと与吉まけおしみ」「苦にはならねど与吉淋しがり」。
2. あるべきところに毛の無い女のこと。即ちかはらけのことをいふ。江戸神田の与吉といへる人形師の女房は、かはらけで有名であつたから起つたもの。〔情事語〕
3. 〔情〕かわらけのこと。江戸神田の与吉といふ人形師の女房が有名であつたところから来たもの。猥褻語。
4. あるべきところに毛のない女のこと、即ちかはらけのことをいふ。江戸神田の与吉といへる人形師の女房は、かはらけで有名であつたから起つたもの。
5. あるべきところに毛のない女のことをいふ。
6. あるべき処に毛のない婦人の事。始めて江戸に銭湯風呂を開いたのは与吉といふ男であるが、彼氏の女房がさうであつたのか。
7. 「与吉の女房」。先天的局部禿髪症をいふ。江戸神田の与吉といへる人形師の女房無毛症を以て聞えたり、それに基く、川柳に多く見えたり。黄表紙『大悲千録本』に与吉の女房の事出でたり。

分類 俗語、情、情事語

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