ほかの胃炎との関係
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/29 14:13 UTC 版)
正確な慢性胃炎の状態としては、胃粘膜の炎症が確認される必要があり、FDではそういうものが見当たらないが症状がある状態である。従来は、日本では炎症がなくても慢性胃炎だと診断されてきた。従来は、上腹部の不定愁訴は、慢性胃炎、神経性胃炎、そのまま上腹部不定愁訴だと診断してきた。胃けいれん、胃アトニ―、胃下垂といった診断名のこともあった。 慢性胃炎とFDは同一ではなく、慢性胃炎を治療してもディスペプシアの症状が残る場合がある。胃痛が潰瘍など粘膜の炎症によって起きていれば、炎症を治療すれば痛みは消失する。また、胃もたれは食べ過ぎをやめ時間をおけば治る。一方で、機能性胃腸症の場合は胃の運動機能障害であって、抜本的な治療法がない。 一般に器質的疾患である逆流性食道炎は、しばしばディスペプシア症状を呈する。プロトンポンプ阻害薬(PPI)で粘膜障害が治癒してもディスペプシア症状が残ることも多い。このようなケースでは、逆流性食道炎とFDを併発していると考えられ、日本消化器病学会では保険診療上も2つの病名の併記は可能としている。
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