逆行液化現象
【英】: retrograde phenomena
同義語: レトログレード現象
油・ガス田から産出される原油や天然ガスは、多くの炭化水素成分から成るため、圧力、温度により気液平衡状態が変化し、図のような圧力―温度状態図(phase diagram)が描ける。ABCDE で結ばれる曲線の内側では、この多成分系は気相と液相の二相を成している。外側は気相または液相の一相である。点 K においては液相のみであり、温度を一定にして圧力を降下しても点 B に至るまで液相のみであり、点 B において初めて気相が生じる。さらに圧力を降下していくと気相の体積が増加し、点 F において気相が 20 %を占める。B 点の圧力を沸点圧という。また、点 J では気相のみである。温度を一定にして圧力を上昇させると、点 E において初めて液相が生じ、さらに圧力を上昇させると液相が増加していく。E 点の圧力を露点圧という。しかし、同一温度上の高圧域である L―D―G で生じる相挙動は変わっている。LD 間では気相のみであるが、さらに圧力を降下していくと、点 G までは液相が増加していく。この現象を逆行液化現象といい、この現象で生じる液相をレトログレード・コンデンセートという。D 点も露点圧であり、ガス層開発上は E 点より重要な意味を持つ。レトログレード・コンデンセートが生じる図の斜線部は逆行液化領域(retrograde condensate region)と呼ばれる。点 G を超えてさらに圧力を降下すると、蒸発作用により液体分が減少していき、点 E で気相のみとなる。![]() |

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