かりふぉるにあ丸とは? わかりやすく解説

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かりふぉるにあ丸

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/17 08:24 UTC 版)

かりふぉるにあ丸
基本情報
経歴
起工 1965年2月1日
進水 1965年6月30日
竣工 1965年9月25日
その後 1970年2月10日沈没
要目
総トン数 34,002トン
載貨重量 56,474トン
全長 218.25 m
型幅 32.2 m
型深さ 17.8 m
喫水 12.094 m
主機関 三菱横浜-MAN K8Z86/160C型ディーゼル 1基
出力

17,000馬力(最大)

14,450馬力(常用)
最大速力 17.55ノット
航海速力 15.5ノット
乗組員 36名
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かりふぉるにあ丸は、日本の鉱石運搬船である。

全長218.25m、幅32.2m、総重量62,147トン。1965年、第20次計画造船により、第一中央汽船の発注で三菱重工業横浜造船所で完成した。

かりふぉるにあ丸沈没事故

1970年1月24日ロサンゼルス港を出港。乗員29名。同年2月9日、低気圧の中、千葉県野島崎東方320km地点北緯35度10分東経143度55分で大波を2度受け航行不能となりSOS発信。ニュージーランド船「オーテ・アロア」、自動車運搬船「えくあどる」などが救助に向かった。

かりふぉるにあ丸は救命艇を2隻搭載していたが、荒天のため降下に失敗して流され喪失、乗員の一部(6名)も海中に落下する事態になり、米軍救難機が搭載していた5個の救命ボートを投下。しかし船体に投下出来ず、「オーテ・アロア」から荒天下決死の覚悟で発進した救難艇によってこの時点でかりふぉるにあ丸に残っていた23人を救助しようとしたが、住村博士船長(当時45歳)と三等航海士が退船を拒否し、救難艇の固定用に下ろしたロープが救難艇に絡んだため住村船長の指示で三等航海士はロープを切断するために厨房から持ち出した包丁を持って下船。直後にロープが自然に外れるが、住村船長は自ら沈み行く船と行動を共にするとして下船せず、結果的に殉職した[1]。船長の最後の言葉は「みんな行ってくれ わしゃ残るわ」である。

船長が船と共に死ぬことを選んだ背景には、当時の船員法第12条に「船長の最後退船義務」が規定されていたこと、太平洋戦争において艦長が船と共に死ぬことが事実上不文律化していたなどが挙げられる。結局、この事件などが契機となり、同年に船員法12条から最後退船義務の一節が削除された。

なおこれとは別に、救命艇降下作業中に転落したボートにて漂流していた6人中2人が13時間後、川崎汽船所属の貨物船「えくあどる」に発見され[2]、米軍救難機の支援の下救助されたが、残りの4名はそのまま行方不明となっている[1]

その他

  • 前年正月には第19次計画造船で就航したぼりばあ丸も、同じ海域で沈没している。
  • 1970年2月10日、かりふぉるにあ丸を取材するためにフジテレビがチャーターしたエアロスバル機が墜落。3人が犠牲となった[3]
  • 1970年2月12日海上保安庁は、かりふぉるにあ丸の救助に当たったオーテ・アロア号の乗組員に対し感謝状と記念品を贈った[4]

脚注

  1. ^ a b (国土交通省海難審判所)「機船かりふおるにあ丸遭難事件」・「理由」
  2. ^ 「君は若い、生きろ」機敏だった船長 24人横浜へ『朝日新聞』1970年(昭和45年)2月12日夕刊 3版 11面
  3. ^ 東京航空に飛行停止の処分『朝日新聞』1970年(昭和45年)2月11日朝刊 12版 15面
  4. ^ アロア号の乗組員に感謝状 海上保安庁長官『朝日新聞』昭和45年(1970年)2月13日朝刊 12版 15面

出典

  • VaioNet-SKY PerfecTV!「海と日本・第二回巨大船、沈没す」 - 日本財団図書館
  • 船舶技術協会『船の科学』1965年11月号 第18巻第11号

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