兜形
- 張形の一部分の如き物にて張形と同く鼈甲又は水牛の角にて造りし閨中の淫具、所謂「四ッ目屋の七道具」の一種なり。古淫書に曰く「甲形は子を孕まぬための道具なり」。此兜形も張形と同く支那伝来の物なるべし。日本にて摸製するに至りしは明暦の頃ならんか。明治初年盛んにルーデーサツクの輸入ありて此具廃絶せり。
- 兜形。淫具の一。張形の亀頭部のみのもの。鼈甲又は水牛の角にて造る。目的に二あり、避妊並に女悦の具たり。「後日男」に「どのやうになつてもそなたに気をやらすことはならぬ、甲(かぶと)といふて角細工のものもあれどそれをかけさせては張形と同前」云々、とあり。「阥阦手事巻」「これをはめるにはへのこいまだおへたぬさきにあたまへかりくび迄一ぱいにはめて後おやしたつればぬけることなし、かくの如くになりて婦人の喜ぶこと大かたならず又男気をやりても淫水此のかぶとの中へたまるゆへ女の孕む事なきは第一の道具なり」とあり。「女才学絵抄」の狂歌に「かぶとがた之もへのこのかりさきへはめて使へば皆うれしがる」とあり。「又蛸に引たくられるかぶとがた」。
- 四ツ目屋道具の一。コンドームの代用となせし外、南洋土蕃のアムパラングの如く女悦の具ともなせしものなり。
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