かかひの祭(まつり)
読み方:かかいのまつり
- 文化十三年の『俳諧恋の栞』に曰く「常陸筑波明神にあり、かかけ又かかひといふ、男女参詣して自他の男女互に打混じて暗きに寄合ひ、目なしとちの如くしてとつぐと也」。明治政府の代となりて風紀取締令のため此事廃絶するに至りしと聞く。「かかひ」とは上古行はれたる男女相会して唱歌せし「かがひ」の義か。又は相抱擁する「かかへ」の転か不詳なり。「かかけ」とは著衣を掻き上げてとつぐの意ならんか。
- 〓合の祭。文化十三年版「俳諧恋の栞」に「常陸筑波明神にあり、かかけ又はかかひといふ男女参詣して自他の男女互に打混じて暗きに寄り合ひ目なしとりの如くしてとつぐなり」とあり。かかひとは上古歌垣とて男女相集りて掛け合ひに歌を謡ひしよりかけあひ歌ふの義、約言してかがひとなれるべし。一説にはかかへ(抱擁)の意、或はかかけは着衣をかかげてとつくの意なるべしといふ。大原の雑喉寝と同一神事なり。「万葉集」九に「をとめをとこのゆきつどひかがふかがひに人妻にわれもまどはんわが妻に人もこととへ」とあり。
- かかひの祭は『万葉集』の歌にあり、男女相集りて歌をうたひ合ひ酒もりすること也。筑波のかがひ殊に古来聞えたり。文字には〓合と書く。かけあひうたふの義約してかがひとなれるなり、大原の雑喉寝と同じき神事なり。詳細は北野博美氏の『性的行事としての盆祭の研究』を参照せよ。
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