『ジャバウォックの詩』
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「ジャバウォックの詩」の記事における「『ジャバウォックの詩』」の解説
夕火(あぶり)の刻、粘滑(ねばらか)なるトーヴ 遥場(はるば)にありて回儀(まわりふるま)い錐穿(きりうが)つ。 総て弱ぼらしきはボロゴーヴ、 かくて郷遠(さととお)しラースのうずめき叫ばん。 『我が息子よ、ジャバウォックに用心あれ! 喰らいつく顎(あぎと)、引き掴む鈎爪! ジャブジャブ鳥にも心配るべし、そして努(ゆめ) 燻り狂えるバンダースナッチの傍に寄るべからず!』 ヴォーパルの剣(つるぎ)ぞ手に取りて 尾揃(おそろ)しき物探すこと永きに渉れり 憩う傍らにあるはタムタムの樹、 物想いに耽りて足を休めぬ。 かくて暴(ぼう)なる想いに立ち止まりしその折、 両の眼(まなこ)を炯々(けいけい)と燃やしたるジャバウォック、 そよそよとタルジイの森移ろい抜けて、 怒(ど)めきずりつつもそこに迫り来たらん! 一、二! 一、二! 貫きて尚も貫く ヴォーパルの剣(つるぎ)が刻み刈り獲らん! ジャバウォックからは命を、勇士へは首を。 彼は意気踏々(いきとうとう)たる凱旋のギャロップを踏む。 『さてもジャバウォックの討ち倒されしは真(まこと)なりや? 我が腕(かいな)に来たれ、赤射(せきしゃ)の男子(おのこ)よ! おお芳晴(かんば)らしき日よ! 花柳かな! 華麗かな!』 父は喜びにクスクスと鼻を鳴らせり。 夕火(あぶり)の刻、粘滑(ねばらか)なるトーヴ 遥場(はるば)にありて回儀(まわりふるま)い錐穿(きりうが)つ。 総(すべ)て弱ぼらしきはボロゴーヴ、 かくて郷遠(さととお)しラースのうずめき叫ばん。 “ ”
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