「納銭方」が意味するもの
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/13 09:50 UTC 版)
史料にみられる「納銭方」に早くに注目したのは小野晃嗣(1904-1942)で、現納を扱う倉奉行に対して金納を扱ったのが納銭方であったと考え、これを幕府機関の一つとして捉えた。この小野の見解を現実的ではないと考えた桑山浩然(1937-2006)は、納銭方は土倉役・酒屋役の収納請負機関であるとの見解を示した。五味文彦は従来の研究では同一視されていた納銭方と納銭方一衆とを区別し、納銭方は政所執事代の管轄下にある幕府機関であって、納銭方一衆はその下で土倉役・酒屋役の徴収を行ったとした。 一方で田中淳子は納銭方を「御料所」とする史料を示し、これを幕府機関ととらえることは不適当で、むしろ納銭そのものを指すと解する。また、折紙方を出納ルートあるいは折紙銭そのものを指すとする桜井英治の見解を参考に納銭方も納銭の出納ルートを指す語でもあるとしているほか、納銭の賦課対象である土倉・酒屋を指す用例も指摘している。
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