「火の雨」に見える理由
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/26 01:30 UTC 版)
焼夷弾の発火は、対象への激突後である。しかし『火垂るの墓』をはじめとする戦時中を題材にした映画などでは、焼夷弾が「火の雨」となって落下する描写がある(多くの空襲被災者の証言にも見られる)。そのため、空中で発火して焼夷剤に引火させると誤解されていることがある。しかしこのときの火は、焼夷剤によるものではない。 焼夷弾には、目標(木造家屋の瓦屋根など)への貫通力を高めるため、姿勢を垂直に保つ目的のストリーマーと呼ばれるリボン(青く細長い布)が取り付けられている。上空での分離時に使用されている火薬によって、このリボンに着火し、それがあたかも火の帯のようになり一斉に降り注ぎ、火の雨が降るように見えたと言われている。なお、親爆弾の開裂には爆薬を用いず、従ってストリーマーにも火がつくことはなく、風圧ではためくストリーマーに、地上の火災が反映して、「火の雨」に見えたのではないかと示唆する説もある。
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