切羽とは? わかりやすく解説

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きり‐は【切(り)羽/切(り)端】

読み方:きりは

鉱石採掘トンネル工事で、掘削が行われる現場切り場


せっ‐ぱ【切羽】

読み方:せっぱ

刀の鐔(つば)の表裏が、それぞれ柄(つか)と鞘(さや)に接す部分添える薄い金具

差し迫っていること。また、その場面。急場。どたん場。

生きる死ぬるの—ぞと」〈浄・五羽子板


切羽

読み方:セッパ(seppa)

刀の鍔が、柄と鞘に接するところの両面添える薄い金物


切羽(きりは)

掘削


切羽

掘削

切羽

読み方:セッパ(seppa)

刀の鍔両面中心部につける薄い長円形の金具


切羽(せっぱ)

刀身刃区部分装着したハバキと、柄の縁金具両側押さえられて鐔を挟む位置装着される薄い金具のことで、柄口部分締まり(鐔のガタつき)の微調整をするためにある。多く素銅金着とされ、鐔から刀身保護する目的と、逆に鐔や縁を傷付けぬためにもある。鐔が固定され動かぬころからどうにもならない局面追い込まれることを切羽詰まるとは昔から良く用いられる表現である。

切羽

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/08/15 14:11 UTC 版)

切羽(きりは)とは、トンネル工事や鉱山開発における掘削作業の最前線部分を指す[1]。地山(自然の岩石や土壌)が露出した領域であり、作業の安全性や工事の進捗に影響を与える重要な箇所である[2]

定義と概要

「切端」や「鏡(かがみ)」とも呼ばれる[3]掘削面は通常ほぼ鉛直に近い形状をしており、掘削作業の進行方向を反映する[4]。また、鉱山や炭坑の採掘現場でも坑道の先端や掘削面を切羽と呼ぶ[5]。NATM(新オーストリアトンネル工法)やシールド工法でも特に重要な役割を果たし、シールド機の先端部や掘削箇所も切羽と呼ばれ、切羽の安定性は工事全体の成功に大きく影響する[6]。切羽の通気管理が掘進作業の効率化に寄与するという報告もある[7]

役割と管理

地山の観察と評価

切羽は地山の状態を直接観察し評価する場でもあり[8]。目視による観察を通じて、地山の状況を点数化し適切な支保パターン(支持構造)を決定する。切羽は地山が露出しており不安定な状態であるため落盤や肌落ちと呼ばれる岩石の崩落による事故が発生しやすいリスクの高い箇所である。そのため、この評価はトンネルの安定性や安全性を確保するために不可欠である[9]。切羽の地質評価におけるデータ収集や分析は掘削作業の最適化にも役立つとされている。切羽前方探査における掘削発破の振動を利用した技術開発も進められており、地山の予測精度向上が期待されている[10]

安定性の確保

トンネル建設工事における落盤・土砂崩壊災害は、掘削作業の最先端部分である切羽で多く発生することが知られている[11]。調査によると、坑口から0.5km未満、土被りが100m未満の区間に集中しており、掘削が進行する初期から中期(掘削進捗25%以上50%未満)の段階で事故が多く発生する傾向がある。また、発破掘削を用いた工法や、地山等級が自立困難となるC・D等級[12][13]の箇所で発生頻度が高いことが報告されている。山岳トンネルでは「肌落ち」(岩片や土砂の落下)防止対策がガイドラインに基づいて実施されるが[14]、肌落ち防止にも適切な通気やガス・粉塵管理が重要であるとされている。また、切羽安定対策として有効である「核残し」と呼ばれる掘削断面の中央部を残す技術も切羽の安定性を高めるために用いられる[15][16]

切羽の安定性の確保は災害防止の観点からも極めて重要であり、国内のみならず海外でも様々な研究が進められている[17][18]。今後は掘削管理やモニタリング技術の高度化を通じて、より安全なトンネル施工の実現が期待されている[19]

脚注

  1. ^ 建設の施工企画 (746);2012・4』2012年4月。doi:10.11501/12527916https://doi.org/10.11501/125279162025年8月13日閲覧 
  2. ^ 第 10 章 トンネル工(埼玉県)https://www.pref.saitama.lg.jp/documents/175249/dourosekkei_10.pdf 
  3. ^ 参考資料-1 用語の解説(近畿地方整備局)https://www.kkr.mlit.go.jp/kingi/kensetsu/info_offer/glo6r90000000ljy-att/kiriha02.pdf 
  4. ^ トンネル切羽の安定性に関する遠心模型実験』1995年11月http://library.jsce.or.jp/jsce/open/00047/1995/05-0117.pdf 
  5. ^ シールド用語集(日本建設機械施工協会)https://jcmanet.or.jp/kikaibukai/tunnel/b51.html 
  6. ^ トンネル切羽の定量評価による掘削の合理化』2016年1月http://library.jsce.or.jp/jsce/open/00019/2016/44-0217.pdf 
  7. ^ 掘進切羽における吹き出し通気の最適化に関する研究』2000年https://dl.ndl.go.jp/pid/3175089/1/1 
  8. ^ トンネル地山等級判定マニュアル(試行案)https://www.kkr.mlit.go.jp/kingi/kensetsu/info_offer/glo6r90000000ljy-att/kiriha01.pdf 
  9. ^ トンネル理解への道しるべ』2018年8月https://orchid.fujii-kiso.co.jp/wordpress/wp-content/uploads/2023/12/2d305ac664634c827847e03698812103.pdf 
  10. ^ P38.トンネル掘削発破を起振源とした切羽前方探査の開発https://dl.ndl.go.jp/view/prepareDownload?itemId=info%3Andljp%2Fpid%2F10569426&contentNo=1 
  11. ^ トンネル建設工事における労働災害の調査・分析』2010年11月http://library.jsce.or.jp/jsce/open/00913/2010/05-0029.pdf 
  12. ^ 地山分類(農林水産省)https://www.maff.go.jp/j/nousin/attach/pdf/noudou-23.pdf 
  13. ^ トンネル地山等級判定マニュアル(試行案)』2016年7月https://www.kkr.mlit.go.jp/kingi/kensetsu/info_offer/glo6r90000000ljy-att/kiriha01.pdf 
  14. ^ 山岳トンネル工事の切羽における肌落ち災害防止対策に関する検討』2023年3月https://www.jniosh.johas.go.jp/publication/houkoku/tunnel_2023.pdf 
  15. ^ 核残しを併用したときの押出し性地山におけるトンネル周辺挙動』2010年11月http://library.jsce.or.jp/jsce/open/00905/2010/20-0017.pdf 
  16. ^ AIを活用したトンネル切羽の地質評価と肌落ち予測支援に関する研究開発』2023年https://www.hrr.mlit.go.jp/library/happyoukai/R5/a/a-11.pdf 
  17. ^ Three-dimensional stability analysis of tunnel face based on unified strength theory, (2023-7), https://www.nature.com/articles/s41598-023-39554-z 
  18. ^ Parameter analysis of excavation face stability of shield tunnel under high water pressure seepage, (2022-12), https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S1474706522001115 
  19. ^ 地山の崩壊等による危険の防止https://www.kensaibou.or.jp/safe_tech/regulations/files/official_regulations_explanation_08.pdf 

参考文献


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