V型エンジン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/10/12 07:30 UTC 版)
利点
- 気筒数が多くなるほど、直列型に比べシリンダーブロック、クランクシャフトを短くすることができるため、剛性面で有利。
- 気筒数が多い場合にスペース効率に優れ、自動車用では縦置き・横置きを兼用することができる。(とくにOHVでは)排気量のわりにコンパクトなエンジンとすることができる。
- 気筒数が少ない場合でも一次振動が理論上はキャンセルされ、静粛で低振動にできる。
- 挟み角と気筒数で異なるが、たとえば90度バンクの4気筒の場合などでは、ひとつのピストンが上死点、または下死点にあり、ピストンスピードが0のときでも、対になっているピストンは、一番速度の速い中間点にあるため、低回転でも滑らかにまわり、止まりにくい(直列4気筒・180度クランクでは全てのピストンが止まる瞬間がある)。
欠点
- シリンダーヘッドが両バンクに分かれ、バルブ駆動系や吸排気系などを両バンクに振り分ける必要があり、直列エンジンと比べ構造が複雑で重量も上回る。
- 給排気系のレイアウトが制限される場合がある。
- 特に少ない気筒の場合、振動を低減するためにはバランスウエイトが必要で、クランクシャフトが重くなる。
- 各バンクごとに排気管をまとめると、不等間隔爆発による排気干渉を起こすことがある。
- 気筒数、挟み角によっては不等間隔爆発となることから、特に低速域でトルク変動が起こる(現在では位相クランクピンで等間隔化が可能。二輪車では不等間隔爆発の特性を利用して、加速時のトラクションを実質的に確保したり、心地よい振動を得ることで利点とする場合もある)。
- 整備性では、横置きエンジンの場合だとスパークプラグの交換がかなり難しい(例 : トヨタ車の場合1MZ-FE、2GR-FEエンジンなどで特にエスティマやアルファードなどのミニバン車両が顕著)。
種類
- V型2気筒(V2、Vツイン)
- V型3気筒 (V3)
- V型4気筒 (V4)
- V型5気筒 (V5)
- V型6気筒 (V6)
- V型8気筒 (V8)
- V型10気筒 (V10)
- V型12気筒 (V12)
- V型16気筒 (V16)
- V型18気筒 (V18)
- V型20気筒 (V20)
- V型24気筒 (V24)
「V型エンジン」の続きの解説一覧
- V型エンジンのページへのリンク