鳥飼車両基地
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/10/15 09:38 UTC 版)
鳥飼車両基地 | |
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鳥飼車両基地 | |
基本情報 | |
鉄道事業者 | 東海旅客鉄道 |
帰属組織 | 関西支社 |
空中写真
設備
- 着発収容線:17本
- 電留線:20本
- 通路線:2本
- 電留線:7本
- 交番検査線:2本
- 臨時修繕線:1本
- 復元線:1本
- 組替・引上線:3本
- 研削線:2本
- 台車交換線:2線
備考
- 当車両基地の西側を通っている大阪モノレール本線の建設計画が具体化する以前、摂津市は博多南線と同様に当車両基地を旅客利用できるようJR東海に要望したことがあったが、認められなかった。
- 国鉄(当時)は車両洗浄用の水の確保のため同基地に井戸を掘削してきたが、そのつど周辺地域で地盤沈下が多発したため、摂津市が地下水の汲み上げを止めるよう1973年に国鉄に要請、1977年に両者間で環境保全協定を締結するに至り、工業用水・上水からの取水に切り替えた。摂津市は1999年に井戸の掘削・汲み上げの原則禁止に関する条例を制定した。2014年になり、JR東海が災害などによる断水に備えた非常用として茨木市側で新たに井戸2基を掘削することを決めたため、摂津市が先述の協定の適用範囲が同基地全体(茨木市側も含む)であると主張して同年9月29日に大阪地方裁判所に掘削禁止の仮処分を申請した[1][2]。これに対しJR東海は、大阪府より許可を得ていること、協定の範囲は特段の意思表示がされておらず摂津市側に限定されること、他の地域でも地下水を活用しているが観測井戸を設けて水位変動をモニタリングしており、また関係自治体との同様の問題は生じていないこと、同市が太中浄水場から大量の地下水を汲み上げており比例原則に違反することなどを反論した。大阪地方裁判所は2016年9月2日に原告請求棄却の判決を下した[3]。2017年7月12日に大阪高等裁判所は摂津市の控訴を棄却した[4]。
- 川崎重工業兵庫工場で製造されたJR東海の新幹線車両は、通常は同工場から当車両基地まで直接陸送されるが、阪神・淡路大震災発生当時に同工場で製造途中だった編成は、陸路が寸断されたため一旦兵庫運河から堺泉北港まで海上輸送され、そこから当車両基地まで陸送された。
- 2019年の台風19号によって長野新幹線車両センターが水没したことをうけ、安威川に隣接していることから、浸水対策工事を36億円をかけて実施した。また、水没を避けるため信号機器室を基地外に移転するなどの措置もとった[5]。なお、鳥飼車両基地では1967年7月の豪雨で敷地が浸水した際に車両を回送することで難を避けた経緯があるが、現在では過密なダイヤになってることでこの手法の採用が困難になりつつある[6]。
脚注
- ^ 東海道新幹線鳥飼車両基地:JR東海、合意の抜け穴 大阪・茨木側で井戸計画 摂津市反発「環境保全協定に違反」 毎日新聞 2014年7月29日
- ^ 摂津市、「着工は協定違反」と仮処分申請 新幹線鳥飼車両基地の井戸掘削計画で 産経新聞 2014年9月29日
- ^ JR東海道新幹線鳥飼車両基地における環境保全協定の遵守と、井戸の掘削中止を求める裁判経過(一審) 摂津市 2016年9月14日更新
- ^ 東海道新幹線鳥飼車両基地 取水訴訟 摂津市が敗訴 大阪高裁判決 毎日新聞 2017年7月13日
- ^ 東海道新幹線 鳥飼車両基地 に車両避難策、JR東海が浸水対策まとめる 鉄道チャンネル 2020年11月26日
- ^ 新幹線を水没から救え――1967年7月豪雨「伝説の戦い」が伝える教訓 ITmedia 2019年11月1日
「鳥飼車両基地」の続きの解説一覧
- 1 鳥飼車両基地とは
- 2 鳥飼車両基地の概要
- 3 関連項目
- 鳥飼車両基地のページへのリンク