観音菩薩 観音菩薩の概要

観音菩薩

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/18 07:49 UTC 版)

観音菩薩
木造千手観音坐像(京都・三十三間堂)
観音菩薩
梵名 アヴァローキテーシュヴァラ
別名 光世音菩薩
観世音菩薩
観自在菩薩
救世菩薩
円通教主[1]
円通大士など多数
経典

『妙法蓮華経』観世音菩薩普門品第二十五[2](『観音経』)
仏馱跋陀羅訳『大方広仏華厳経』巻五十一
竺難提訳『請観世音消伏毒害陀羅尼呪経』
曇無讖訳『悲華経』巻三

般剌蜜帝訳『楞厳経』巻六
関連項目 阿弥陀如来勢至菩薩
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白衣観音図

注釈

  1. ^ 無人島に捨てられた理由は、継母による育児放棄であるとか、誘拐犯によるものだとか、諸本により一定しない。平康頼の『宝物集』では、子供二人は生母と死別し、継母が二人の子供を殺害しようとして、海藻取りだと騙して連れ出し、無人島に置き去りにしたとしている。なお、松原泰道『般若心経入門』では、出典を南伝華厳経とする。
  2. ^ 宝物集』では、子供二人の生母は阿弥陀如来の前世であり、阿弥陀三尊像の脇侍が観音・勢至なのはその因縁に依るという。
  3. ^ 曼荼羅の研究家として知られる田中公明によると、「千手観音」の千手を描く姿は中国で描かれたのが最初で、インドにはその作例は見られないとしている。
  4. ^ この他、変化観音関係でよく読誦される教典として、千手観音の陀羅尼である大悲心陀羅尼や、准胝観音経などがある[要出典]
  5. ^ 書き下しは平田真純『大聖歓喜天礼拝作法』待乳山本龍院、2002[要文献特定詳細情報]に依った。句読はやや改めた。
  6. ^ 三十三身は法華経の鳩摩羅什訳で初めて出現しており、サンスクリット原文では数が少ない。なお、三十三身を仏像として造像する例もあり、鎌倉長谷寺に十一面観音像の脇侍として作られた三十三身像が現存しており、神奈川県の重要文化財に指定されている他、東京の護国寺、塩船観音寺に作例が残る。
  7. ^ 三十三身の分け方は鎌田茂雄『観音経講話』[要ページ番号]及び大栗道栄『図説観音経入門』[要ページ番号]に従った。三十三観音との対応は土佐秀信『仏像図彙』[要ページ番号]より。
  8. ^ 三十三身の分け方は鎌田茂雄『観音経講話』[要ページ番号]及び大栗道栄『図説観音経入門』[要ページ番号]に従った。三十三観音との対応は土佐秀信『仏像図彙』[要ページ番号]より
  9. ^ この尊格は定説がない。大栗は帝釈天の命を受けて世間をパトロールし、賞罰を定める尊格だとするが、異説もある[要ページ番号]
  10. ^ 人格者の資産家で判断が正しく世間の役に立っている人のこと[18]
  11. ^ 不動明王と同じ尊格とする[18]
  12. ^ 道元が感得した尊格とされる[要出典]
  13. ^ 読みは「ばろうふ」とも。魚籃観音と同一説もある[要出典]
  14. ^ 文献自体が書かれたのは9世紀から12世紀[19]
  15. ^ 観音菩薩の心真言「アロリキャ」の「ロ」は伝統的な悉曇文字で書かれた悉曇真言本ではruまたはroであり、『文殊儀軌経』のサンスクリット本でも観音菩薩の心真言はārolikである[21]。「アロリキャ」がālolikなのかārolikなのかや、その語源・意味は学術的にも未解決の問題となっている[21]
  16. ^ 本尊の聖観音像は絶対秘仏。この他千手観音像を含め複数の観音像があり、本尊と同じ形の「裏観音像」は開堂中は拝観可能。露座の聖観音坐像が台東区指定文化財。

出典

  1. ^ 新版 禅学大辞典 p113
  2. ^ 国立国会図書館デジタルコレクション 鳩摩羅什訳『妙法蓮華経 : 冠註』「『妙法蓮華経』観世音菩薩普門品第二十五」
  3. ^ 坂本幸男・岩本裕訳注『法華経』岩波文庫下巻 (1969年) pp.408-409.
  4. ^ 関根俊一 編『仏尊の事典 - 壮大なる仏教宇宙の仏たち』学習研究社〈New sight mook. Books esoterica. エソテリカ事典シリーズ 1〉1997年4月、ISBN 978-4-05-601347-4、62頁。
  5. ^ 『大唐西域記』巻三「中有阿縛盧枳低湿伐羅菩薩像(唐言「観自在」。合字連声、梵語如上。分文散音、即「阿縛盧枳多」訳曰「観」、「伊湿伐羅」訳曰「自在」。)」
  6. ^ a b 松原・三木1999 [要ページ番号]
  7. ^ 山中2010 p.120
  8. ^ Lokesh Chandra (1984). “The Origin of Avalokitesvara”. Indologica Taurinenaia (International Association of Sanskrit Studies) XIII (1985-1986): 189–190. オリジナルの2014-06-06時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20140606205922/http://www.indologica.com/volumes/vol13/vol13_art13_CHANDRA.pdf 2016年7月31日閲覧。. 
  9. ^ 中国の皇帝たち - 日本人と中国人を知るための教養講座”. 2023年3月9日閲覧。
  10. ^ 大宮司朗『仏尊の図鑑』[要文献特定詳細情報]
  11. ^ 植木雅俊『仏教、本当の教え』(中公新書、2011年)p.174
  12. ^ 植木雅俊『仏教、本当の教え』(中公新書、2011年)pp.174-181
  13. ^ 松原・三木1999 [要ページ番号]。松原哲明によれば一般的には女性だと誤解されており、大正期の岡本かの子等は、各宗教の神々でミスコンを行った場合、観世音菩薩はミス仏教だろうと主張しているが、れっきとした男性だと念押ししている。ただし、岡本も観音が男性であることは確かだが、女性として見たいと主張している[要ページ番号]
  14. ^ 平木康平『媽祖と観音--中国母神の研究-2-』, 大阪府立大学紀要 人文・社会科学 (32), p54-55, 1984
  15. ^ 岩本・坂本『法華経』1976、岩波書店[要文献特定詳細情報]。長行と偈文に分かれている。なお、松原1972のように、普門品偈文のみを取り出して「観音経」という場合もある。
  16. ^ 東京国立博物館資料調査室長の石田尚豊の研究による[要ページ番号]。石田によれば、既に白鳳時代にかなりの密教経典が読まれていた記録があり、十一面観音や千手観音の登場する教典が招来されているという。
  17. ^ 観音信者の国王や大名[要出典]。鎌田茂雄はアショーカ王楠木正成のような人物だとしている[要ページ番号]
  18. ^ a b 大栗2001 [要ページ番号]
  19. ^ a b c Sarath Chandrajeewa. “BODHISATTVA AVALOKITESVARA FROM VEHERAGALA” (英語). Art Sri Lanka. 2012年2月21日閲覧。
  20. ^ 「唵 阿去引 嚧 力 迦半音 婆嚩二合引」(不空譯『觀自在菩薩心眞言一印念誦法』)
  21. ^ a b 堀内 1953, pp. 6–7.
  22. ^ チベットについて>チベットと文化>くらしの中の信仰(オム・マニ・ペメ・フム)”. ダライ・ラマ法王日本代表部事務所. 2015年9月16日閲覧。
  23. ^ 『岩波仏教辞典』第二版、pp.121-122「唵麼抳鉢訥銘吽」、p.184「観音信仰」。
  24. ^ 『岩波仏教辞典』第二版、pp.121-122「唵麼抳鉢訥銘吽」。


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