熱帯降雨観測衛星
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/12 13:49 UTC 版)
計画の推移
- 1997年11月28日、H-IIロケット6号機によって打ち上げられる。高度350km、傾斜角約35度、周回周期約90分の太陽非同期軌道に投入。
- 2001年1月31日、定常運用終了、延長運用へ。
- 2001年8月7日、大気の影響を減少させるため軌道高度を350kmから402kmへ上昇。
- 2004年7月5日、NASAからの提案(予算上の問題)により、JAXAは同年7月中の運用停止に同意。
- 2004年8月5日、ハリケーンシーズンを迎え運用延長を決定。
- 2005年1月4日、再び運用延長を決定。
- 2005年8月28日、2009年まで科学ミッションが継続されることが決定。
その後も、何度もミッションの継続が行われた。
- 2015年1月、2015年4月で運用を終了することが承認された。
- 2015年4月8日、正式にミッション終了。
- 2015年6月16日12時55分 (JST) 、インド洋上空で大気圏再突入し消滅。
ミッションの終了
2014年7月8日、NASAはTRMMの推進剤タンクの圧力計の数値からTRMMの推進剤がほぼ切れたと公表した。今後は運用高度である402kmの軌道維持制御を終了し、大気抵抗により徐々に高度が低下していく。少量の推進剤がまだ残っているものの、これはスペースデブリとの衝突を回避するために温存し、衛星が安全に降下できるようにする。2014年10月5日に、降雨レーダ(PR)の観測範囲の下限である392.5kmに達したため降雨レーダの後期運用は終了した。TRMMの運用は高度335kmまで下がると予測される2015年の4月で終了する予定[3][4]。太陽活動の状況によっては時期は変動するが、95%の確率で2016年5月から2017年11月までの間に再突入する予定で、この時点では2016年11月になると予測されていた[5]。しかし運用終了の2か月後には、NASAは2015年6月16日ごろに再突入する見込みであることを発表した[6]。実際に日本時間の6月16日昼過ぎにインド洋上空で再突入したと発表された[7]。
制御できないままTRMMが落下するリスクは、NASAが容認するリスクの2倍の1/5,000であるが、このリスクは制御不能状態で2011年に落下した衛星(UARSとROSAT)よりは低い。燃料が尽きた状態での衛星の重量は2,621kg[8]。
関連項目
- ^ “TRMM Mission Set Database”. NASA GSFC 2014年2月11日閲覧。
- ^ “TRMM Data Users Handbook” (PDF). NASDA (JAXA). 2018年12月24日閲覧。
- ^ “17年間 雨を観測し続けた長生き衛星『TRMM』に運用終了の兆候”. レスポンス. (2014年8月17日) 2014年9月28日閲覧。
- ^ “熱帯降雨観測衛星(TRMM)の運用終了について”. 文部科学省/JAXA. (2015年1月16日) 2015年2月8日閲覧。
- ^ “NASA Rainfall Satellite Out Of Fuel, but Continues to Provide Data”. NASA. (2014年8月25日) 2014年9月28日閲覧。
- ^ “熱帯降雨観測衛星「TRMM」、近日大気圏に再突入へ 地表落下の恐れはわずか”. sorae.jp (2015年6月14日). 2015年6月14日閲覧。
- ^ “熱帯降雨観測衛星「TRMM」、大気圏に再突入 地上への被害は報告されず”. sorae.jp (2015年6月17日). 2015年6月20日閲覧。
- ^ “Rainfall research satellite begins descent from orbit”. SpaceflightNow.com. (2014年8月15日) 2014年9月28日閲覧。
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