検索エンジン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/17 22:18 UTC 版)
検索エンジン上の各種広告
2006年頃から日本ではURL(アドレス)を表示せず、社名や商品名などの検索キーワードを表示し、検索エンジンで検索させるように仕向けるテレビコマーシャルなどの広告表現が急増している。大抵はキーワードが書かれた状態の検索フォームとボタンを表示し、マウスクリックを促す演出がなされている。このような変化が生じた理由は不明であるが、各メディアの広告掲載基準の変更や、コマーシャルでURLを表示するのに比べてアクセス数を獲得しやすいことが増加の要因である。しかし検索結果に企業にとって不都合な情報が現れる場合があるため、グーグル八分のような検索結果の操作が行われるケースも考えられる。
現在、主流となっている広告手法として、ユーザーの検索結果後に広告を露出させる検索連動型広告と、サイトの中を分析し、そのサイトに合った広告を配信するコンテンツ連動型広告が主流である。
英語圏でも2013年ごろから「#wikipedia」のような番号記号を使った広告活動をおこなっている。
検索エンジンの課題と問題点
多言語化の課題
いわゆる「使用言語からみたインターネット人口の割合」は Internet Archive を用いて Euro Marketing と Global Reach から過去の月次資料を整理すると次のような推移を辿っている。
1998年 | 1999年 | 2000年 | 2001年 | 2002年 | 2003年 | 2004年 | |||||
12月 | 1月 | 4 - 7月 | 12月 | 2月 | 4 - 6月 | 7月 | 1月 | 6 - 10月 | 2 - 4月 | 7月 | |
英語 | 58% | 55% | 51.3% | 49.6% | 47.6% | 47.5% | 45.0% | 43.0% | 40.2% | 36.5% | 35.8% |
非英語 | 42% | 45% | 48.7% | 50.4% | 52.4% | 52.5% | 55% | 57.0% | 59.8% | 63.5% | 64.2% |
※2005年2月2日の時点で、WWW検索エンジンの代表格であるGoogleでは80億を越す8,058,044,651ウェブページが登録されていた。
1995年以前のInternet Societyによればインターネットで用いられている言語のうち英語が占める割合は85%とされていたが、その後のITの進歩や各国のインターネットの普及により多言語化が進み、上表に見られるように2000年の年末には英語と非英語の言語人口が逆転し、その傾向は継続していった。このため検索エンジン各社は多言語対応に苦慮することとなった。
危険なサイトの侵入
検索エンジンは、利便性がある一方、危険性も存在する事やその被害例について参考文献や資料が存在する。検索エンジンの安全性に関する調査報告については、ウイルス対策ソフトなどを提供するセキュリティベンダーの米マカフィーが、2007年6月4日「検索エンジンの安全性に関する調査報告」を発表し「検索エンジンは危険であり、検索エンジンにキーワードを入力して上位に現れるサイトの危険度を調べたら、広告として表示されるサイトは、そうでないサイトの2.4倍も危険率が高い」としている[14][15]。
また2006年05月12日に公表された調査報告書によると検索エンジンのキーワード検索結果には危険なリンクがあり、検索エンジンが自分を守ってくれると思ってはいけない。それどころか検索結果ランキングがサイトの安全性を反映していないことも多く、特に検索エンジン広告を訪れる場合、ユーザーは高いリスクにさらされると警鐘を鳴らしている[16]。 さらに、検索エンジンの提供サイトの危険度についての調査報告では、同マカフィーが「検索エンジンの安全度調査」を発表し「最も危険な結果が多いのは米ヤフー」としている[17]。
検索精度
SEO対策の技術が進んだこともあり、検索上位が大手サイトやまとめサイトばかりになるなど、表示されるサイトに偏りが生じている[18][19][20]。昔のインターネットのほうが精度が高かったという感想も多い[21]。
検索エンジンバイアス
ウェブサイトの人気と関連性のいくつかの組み合わせにもとづいてそれらを番付するよう検索エンジンはプログラムされているけれども、それらが与える情報のなかのさまざまな政治的、経済的、社会的な、バイアスを'経験的な'(英: empirical)研究はしめす[22]。
主な検索エンジンサイト
- Google - 日本語他、多言語対応。
- Yahoo! JAPAN - 日本語。Googleがバックエンドで、独自の検索はリアルタイム等一部のみ
- goo - 日本語。Googleがバックエンド
- Ask.com - 英語、日本語。Ask.jpブランドとしては撤退、Googleがバックエンド
- Startpage.com - 英語ほか、9のヨーロッパ言語。検索は日本語にも対応。プライバシー重視。Googleがバックエンド
- Microsoft Bing - 日本語他、多言語対応。
- Yahoo!(英語) - Microsoft Bingがバックエンド
- DuckDuckGo - 英語、日本語ほか。プライバシー重視の検索エンジン、Microsoft Bingがバックエンド
- Ecosia - 英語、日本語ほか・Microsoft Bingがバックエンド
- Lycos - 英語、日本語ほか、Microsoft Bingがバックエンド
- Brave Search - 日本語他、多言語対応。
- Petal Search - 日本語他、多言語対応。
- Yandex - ロシア語、英語他、多言語対応。日本語対応はしていないが、世界で4番目に利用されている(日本国内では6番目に利用されている)。
- 百度 - 中国語。日本語検索は終了。日本語対応はしていないが、世界で4番目に利用されている(日本国内では5番目に利用されている)。
- Cốc Cốc Search - ベトナム語。日本語対応はしていない(日本語はGoogleにリダイレクト)が日本国内でのモバイル利用者が6番目に多い。
- 搜狗(Sogou) - 中国語。
- NAVER - 朝鮮語。日本語検索は終了
- Qwant - フランス発プライバシー重視の検索エンジン。一部の国(日本を含む)からの利用を遮断
- Indeed - 求人専用検索。日本語他、他言語対応。
- 皆声.jp - 日本語ブログ検索
- ^ The Anatomy of a Large-Scale Hypertextual Web Search Engine(英語、Sergey Brin and Lawrence Page,Computer Science Department, Stanford University)
- ^ グーグルの検索順位決定についてーそのアルゴリズム
- ^ “「Yahoo!カテゴリ」終了へ 「役割終えた」”. ITmedia. (2017年6月29日) 2020年1月10日閲覧。
- ^ 渡辺隆広 (2006年6月26日). “バリューコマース、「ルックスマート」を閉鎖”. SEMリサーチ. 2023年2月14日閲覧。
- ^ “goo カテゴリー検索 サービス終了のお知らせ”. goo (2019年7月29日). 2020年1月10日閲覧。
- ^ Internet Watchの記事 "プライバシーが保護される分散型サーチエンジン「YaCy」~地道な開発が続く"
- ^ a b c d e 時実象一、都築泉、小野寺夏生『新訂情報検索の知識と技術 第3版』情報科学技術協会、2010年、58頁。
- ^ “3/3 Yahhoという検索エンジンがあった [企業のIT活用 All About]”. 2017年10月18日閲覧。
- ^ 当時のNTT DIRECTORYのサイト(1997.12.11収集、ウェブアーカイブ)
- ^ 当時のCSJインデックスのサイト(1998.5.25収集、ウェブアーカイブ)
- ^ Yahoo! JAPAN - プレスリリース
- ^ たとえば 検索エンジンのキャッシュは著作権侵害か?(2002.3 スラッシュドット・ジャパン)などを見よ
- ^ コンテンツをめぐる課題(参考資料) (PDF) (2006.11 コンテンツ専門調査会 企画ワーキンググループ(第3回) - 知的財産戦略本部)
- ^ Internet Archive 検索エンジンに現れる広告サイトは2.4倍危険? - ワークスタイル - nikkei BPnet
- ^ Internet Archive マカフィー、「検索エンジンの安全性に関する調査報告」第3版を公開 ~毎月2億7,600 万件を超える検索がユーザを危険なサイトへ誘導~ - マカフィー株式会社
- ^ ITmedia エンタープライズ 検索エンジンは危険なリンクでいっぱい――McAfeeが調査報告
- ^ INTERNET Watch 危険な検索結果が多いサーチエンジンは米Yahoo!~米McAfee調査
- ^ “ネットのファスト風土化と、なんてことはない情報に価値がある話”. Web担当者Forum. (2010年6月8日)
- ^ 上位はスカスカな「まとめ記事」ばかり…そんなグーグル検索より便利な次世代サービスの共通点(プレジデントオンライン) - Yahoo!ニュース
- ^ グーグル検索の品質が落ちている?…検索エンジンはSEOスパムとの戦いに破れつつある | Business Insider Japan
- ^ 昔のインターネットのほうが便利だったかも いらない情報が多過ぎる現在のネットあるあるに「結局知りたい情報が載ってないことも」(1/2 ページ) - ねとらぼ
- ^ Vaughan & Thelwall 2004; Segev 2010
- ^ OCN navi(サーチエンジン登録ガイド)
- ^ 当時のMondouのサイト(2004.10.14収集、ウェブアーカイブ)
- ^ ディレクトリサービス"NTT DIRECTORY"(研究開発の歴史)(NTT)
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